第4話  家に入れない

帰り道、私は困っていた。

知歩は、頭がいいだけでなく勘もいい。

だから、困ってしまう。

もし、知歩と会ったら様子がおかしいなんやらで

翔君の告白の件を聞き出されてしまう。

知歩の好きな人なのに告白されたと聞けば悲しむ。

それだけは避けないといけない。

知歩と出会ってしまう時間が刻々と迫っている。

帰り道という名の時間がどんどんと伸びていく。


そして、着いてしまった。知歩のいる家に。

玄関で思い当たってしまう。

あれ?もしかして私ってマンガで言う重要ポジ?

知歩は好きな人が翔君、

そして私をそれを知ってる。

翔君が好きなのは私、菜歩。

それも告白されたから知っている。

「こんなマンガみたいな状況私には困るよーー‼︎」

と、知歩に聞かれる可能性があるので心の中で

叫んだ。

何か、何かこの状況を乗り越える方法はないの?

頭をつかうのが苦手な私だが仕方ないので考えた。

方法① 翔君を振る

→失恋して知歩との恋どころで無くなりそう。

方法② 知歩に相談

→悲しむし、恋の相手を変えさせることは

できないとおもう。

方法③ 関係のない友達に相談

→人によるけどいい方法を考えてくれそう。

よし、方法③にしよう。そのためには、

家に入って知歩に見つからずスマホを

取るしかない。だけど、これが最善の気がする。

(人任せだけど)

いつも2階で知歩は勉強してるハズだから、

1階のスマホは取れる。

よしっ入ろう‼︎

ドアに手をかけた瞬間––––

『ガチャ』

ドアが開いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る