第11話 黒の厄災
メイナード「…とまぁ、これがヤツとの一連ですね。」
スプラウト「その後…どう逃げたんだ…?」
狼子「メイナードさんを斬って生まれた一瞬の隙を見て大きく突き飛ばして距離をとり、そのまま逃げました。」
スプラウト「まぁ強引な…」
メイナード「では、そろそろ出ますか。最近奴らは攻める頻度を上げているのでこうしているうちにまた来ますよ。」
スプラウト「はいはい…会計は…っと…」
スプラウト「………は?」
…スプラウトくんがでんぴょーってやつを見て驚愕してる。そんなにすごいことでもあったのかな…?
スプラウト「2300レイス…?(約16000円)」
スプラウト「…おいこころ」
こころ「んー?」
スプラウト「お前どんだけ食べた」
こころ「結構!」
スプラウト「…お前と俺の割り勘な」
ワリカン???えっと…何々?人間社会の専門用語…???
こころ「わ…ワリカン…?」
スプラウト「…おい、割り勘ぐらい知ってるよな…?」
えまって…何か必要なの…?みんな出ていかないけど…何かしないと…?
こころ「何かしないと出られないの…?」
スプラウト「金払え」
マタセンモンヨウゴダー…
こころ「???」
スプラウト「…おいおい…金の存在知らないはやべぇぞ…」
こころ「金って…この…レイス…ってやつ?」
スプラウト「それだそれ。」
スプラウト「半分の1150レイス。お前が出せ。」
こころ「う…うん…わかった…」
で、店員さんにレイスを渡したら出られたよ!
……お金ってなんなんだろう…
スプラウト「ったく…無駄な出費だよ全く…」
レジネス「ゴチでーすw」
スピカ「ゴチでーすw」
スプラウト「ぐぬぬ…」
こころ「ところでどこ行くの?アテもなくふらふらするだけ?」
真心「いや、アテはある。探知であいつらの場所は割れてる。」
こころ「まぁ仕事が速いこと」
そして連れてこられたのはレート戦の西大会の会場。そこにしっかりあの二人がいた。
黒の厄災「待ちくたびれたな。カフェでのんびり過ごしてからのご登場か。呑気め。」
狼子「そちらも、そこで何もせずに構えてるなんて、余裕じゃないですか。」
黒の厄災「仲間を一撃で仕留められたのを見て尻尾巻いて逃げた口が。人数が増えただけで機嫌よくしやがって。」
黒の厄災「始めるぞ。俺は長話が嫌いなんだ。」
スプラウト「臨むところ!《魔力斬》!」
レティシア「忘れてもらっては…困りますねぇ?」
いとも簡単にスプラウトくんの魔力斬が弾き返された。
よく見るとレティシアは前はもっていなかった大剣を担いでいる。
レティシア「《三日月斬弾・爆発》」
三日月の形をした弾幕がレティシアを中心に大量に放たれる。全員余裕でさばけるけど意識を少しでもそっちにやらないといけないのが面倒くさい。
その隙を伺い黒の厄災が私に斬りかかる。
こころ「ほい…っと。」
まぁ、それは予測してた。普通に剣を受け、距離を取る。私はリーチが短いように見せかけて素早く動ける「間合い」が広いから遠い方が戦いやすい。
そうして私はスプラウトくん、レジネスくん、スピカくんと合流した。
私達と狼子ちゃんたちをさえぎるように黒の厄災が入る。
…あ
おそらくこの状況を狙っていた。少人数になると弾幕の放ち方なども少し変えないといけなくなるからかなり不利になってしまう…
レティシア「あなた達は私とですね。」
分断か。なかなかに面倒なことを。こちら側にいるのは…俺、真心と狼子か。結局いつものペアになってしまうな。まあ、動きやすいからよしとしよう。
レティシア「せいやっ!」
大剣を振りかざした。範囲が広い。それにこいつの腕力は火を見るより明らか。避けるしかない。バックステップで避け、距離を取る。
狼子「近距離が無理なら…!」
狼子はそのまま弾幕を放つ。遠距離で体力を削る戦法にシフトしたようだ。それでは、合わせるとするか。
レティシア「小賢しいですね…《気質反射エンチャント》。」
腕力を駆使し、大剣で弾幕をあらかた弾き返す。…だが、それが隙だ。
真心「《切断術》…《一輝》…!」
移動を奪う。それを狙い、レティシアの足に狙いを定め、斬りかかる。
レティシア「…ッ!」
足を斬り、移動を奪う。後は反撃に備え、一輝の残ったエネルギーを使い逃げる。
狼子「はぁぁっ!!」
予想通り。狼子が生まれた隙を見逃さず、俺に合わせたようだ。拳が貫通すればひとたまりもないはずだ。
しかし、拳は軽くバウンドした。
狼子「な…っ!」
真心「狼子!こっちに戻れ!」
まずい。竜化だ。竜化をされたらあの場にいる狼子はすぐに反撃を受ける。狼子をこちらに引き寄せなければ。とにかく、全身の意識を足に向ける。
狼子「後ろ!!!!」
その時、黒曜石のように黒い剣が、俺の腹を貫通した。
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