未読の王様〜僕が次の一手をやる
@kiara333
プロローグ
あの雨の日、激しい雨に打たれながら、
僕は拳を強く、握り締めて、心に強く誓った。
愛情のかけらなど一つもない。
賢者の道で生きる為に何もかも捨てた。
こんなとこで屁張ってる訳にはいかない。
残りの力をすべてこれに捧げるんだ。
最初からここで育ったのが間違ってたのだ。
こんなの僕の居場所じゃない
この世界から逃げ出して、
あの報われない者たちに全力を尽くす。
強くなれ、お前は強くなれと誰かが叫んでいる。
この手にみなぎってくる不思議な力が
僕の体全体に訴えかけて来るのを感じた。
手に取ったおんぼろな本を手につかみ、
思いを巡らせる。
この本の中に閉じ込められた者達がいる
のかぁ‥
でも僕に何ができるというのだろう。
一抹の不安の不安を感じながら、
胸に両手を当て、祈りを込めて、集中する。
魔法の杖をズボンの後ろポケットから、
さっと出し、うろ覚えの呪文を唱え始める。
「本の主よ、私に覗かせてくれ、
パルドラ•マジーナ•オープン…」
すると、本の隙間から強烈な光線が放たれた。
目も開けられないまま、
強い風に吹き飛ばされ、
体が宙に浮き、意識が薄れていく。
魔法の杖を右手に握り締めながら、
解決の扉が開かれた感覚を感じ、
抵抗する暇もなく、後方から吹く強風に
体を吹き飛ばされる。
これが、本の扉を開く瞬間なのかぁ。
体を飛ばされながら、
別世界にやっとの思いで
身を置けたことに安堵する。
やっと、開いた。
あとはあの者達を救わなければ‥
意識を失い、死んだように地面に
バタっと倒れ込んだ。
思えば、あの時から賢者の道が始まったんだ。
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