ペアルック・ティーチャー2020

作家:岩永桂

第01話 ティラミスvs歯歯歯歯

ペアルックティーチャー:お蝶夫人と内海少年


香取「ウツミくぅ〜ん。ごきげんよう。

放課後、サイゼでティラミスをいただきませんこと?」


内海「香取ちゃん、勘弁してやあ……。

ボクのティースはレンガに勝てる様なチタン加工やないんやで?」


香取「ふふっ、ティースですって。ユニークだこと。

だったら、定番のドリアでいいじゃない。

ねえねえ、サイゼって、アーなのかしら? それともヤー?」


内海「う〜ん、あとで音声検索しとくわ。んじゃ、放課後に」


香取「お蝶夫人は、ご機嫌だわよ。

昼休みにラケット握って、カロリー消費しておくわ」


内海「はいな、全力で、エースをねらって下さいませませ」


放課後……サイゼのテーブル。

香取「ウツミくんはアーミア派? それともハイビス派?」


内海「明日方舟やね。意外性でドーベルマンさんかな?」


香取「このドM高校生があ! そんなにムチを欲してらっしゃるの?」


内海「いやいや……。単純に即戦力やからだよ。

……お、ネクライトーキーの『北上のススメ』やん!」


香取「気の利いたBGMですこと。

もっさちゃんの歌声が、胃袋に優しいわね」


内海「クラスメイトの東ちゃんが、ザ・ファーストテイクの

LiSAの紅蓮華の完全コピーで笑いを誘ってくるよ」


香取「プルルルルルウ! ってやつですわね。

細か過ぎて伝わらないモノマネ選手権2020!」


内海「駒場と長崎ちゃんめんにいって、

初めて荒木飛呂彦先生のジョジョリオンを拝読した。正直、心臓が震えたわあ」


香取「へえ、興味深い話題だわ。主人公のお名前は?」


内海「定まる助けると書いて定助だよ。

記憶喪失やから、本当の名前は謎のまま、やけどね」


香取「きよしさんとミッチーは、相変わらずラブラブなの?」


内海「あからさまやないけど、

ペアルックティーチャーは依然、継続中やね。

体育教師の浜口がうるさいんや」


香取「あの方だって、四六時中ジャージ上下で徘徊してらっしゃるのにね。

けやきヶ丘高校は、つくづくユニークな学び舎ですわ」


内海「文化祭は、きよしのズンドコカフェで決まりや。

男子がチャイナドレスを着こなすんやで!」


香取「どこまでいってもユニークねえ。

あたくしたちは星空写真展を開催予定よ」


内海「某有名アイドル作家の意欲作に、触発されたんやね。

方位自身、やったっけ?」


香取「ウツミくんは読書家でもあるのね。

そうよ、方位自身のソレ。あの作品にも香取さんが登場するのよねえ」


内海「案外、香取ちゃんがモデルやったりして?」


香取「オホホホ! それって、お世辞なの? 

全然、悪い気はしないわね」


内海「ケンミンの焼きビーフンがあるやん? 

ドラッグストアコスモスのスパイシーチキンカレーを

上からトッピングしたら、豪華な豪華な、B級グルメの完成や!」


香取「目から鱗が落ちる様なレシピですこと。

今度、お手伝いさんに作ってもらいますわ」


内海「アメリカンカジュアルのライトオンで買った

ボクサーパンツが最高に格好いいんや!」


香取「殿方のおパンティを拝見する訳にはいかないけど、

きっと素敵なんでしょうね」


内海「黄金町の交差点にあるビリジアンの精肉店、

肉のプエルトリコのワンコロッテツースマイルは知ってる?」


香取「ええ、もちろんですわ。

コラボメニューのトリコサンドも連日行列の大人気ですわね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る