第583話 泣く

「ごめん。生徒とは付き合えないや」


 勇気を出して先生に告白してみたものの、フラれてしまった。


 先生と別れたあと、友達の前で泣いた。


「いつか、先生を泣かせてやる。私をフッたことを後悔するくらいいい女になって見せる。向こうから付き合ってほしいと泣いて懇願されるくらいに……!」


 私は決意した。


 しかし、そんな決意も卒業式の日に砕け散った。


「え、そんな……。ずるいよ……」


 卒業したと同時に、先生が告白してきた。


 まさか、あれはフッたわけじゃなく、卒業まで待ってほしいという意味だったとは。


 また、先生に……いや、彼氏に泣かされてしまった。

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