毎日が恋愛

伽藍青花

第1話 祭り

人々のにぎやかな声。

笛や太鼓の音。

花火の音。

それを僕は暗い部屋の中、ベッドで寝ながら聞く。


人混みは苦手だ。

ただ、祭の音はいい。

楽しさが伝わってくる。


祭の屋台を楽しいとは思ったことがない。

だが、それでも、音だけは楽しいと思える。


参加しない僕でも、音だけで参加した気になれる。

参加できない僕でも、音だけは参加できる。

僕はベッドの横から、手探りで小さな太鼓を取り出す。


――トントン。


ああ、楽しいなぁ――。

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