第四回偽物川小説大賞の振り返り

『“H”の愛と幸せの定め』:それでもやっぱり有識者の感想が気になる

 第四回偽物川小説大賞に出した一作目、『“H”の愛と幸せの定め』です。講評読んで初めて気づいたんですがたしかにこの神すごい不器用ですね。思わず自分でも笑っちゃった……w


 まず断っておくのですが、私はクトゥルー神話は全く理解できない人です。本作の執筆のために調べ始めるまではSAN値が減るとやばいらしいということ以外全く知りませんでしたし、これ書くために図書館ハシゴして本まで借りたんですが導入の部分でダメでした。

 あと、これは全くの余談ですが、ヨグト=ソースだと思ってた存在がヨグ=ソトースだったことが判明して笑いました。サラダにかけたらSAN値が激減しそうですね。知らんけど。



 さて、作品の方ですが、講評で偽の教授さんが書いていたとおり本作の元ネタはアンブローズ・ビアスの『羊飼いハイタ(ハイータ)』です。ラヴクラフトがクトゥルー神話の創作を始めるより前の作品であることは承知の上で、ハスターを語る際に外せない要素であることからクトゥルー神話のタグを付けました。ラヴクラフトらによって後に加えられた要素も取り入れたので、元ネタのハスターよりいくらか不穏なのはそのせいです。

 なんでハスター? というと、第五人格というゲームにそのものズバリが出てくる影響でハスターだけなんとなく馴染みがあったからです。その名も「黄衣の王ハスター」、低音ボイスが超絶イケてて信者もたくさんいる概念イケおじハンター(当社調べ)なんですが、脚と攻撃手段の触手が気持ち悪すぎて試合どころじゃないという勝敗以前の問題で私は全く使えません。でもpixivでフェティッシュな二次創作を見るのは好き。超絶低音イケボで耳もきっちり溶けました。後半でハスターが化身してた男もきっとこんなイケボなんだと思います。閑話休題。


 『羊飼いハイタ』を下敷きにした理由としては、人間が愛だと思っていたものが神にとっては感情の全く介在しない支配でしかなかった……っていうディスコミュニケーションがクトゥルー神話ネタなら一番効果的に書けるかなと思ったのと、そういえばハスターにそんな話があるらしいというのを何かで見たぞ、というところです。でもそういう風には読まれなかったっぽいので、結果オーライ今後も要精進ですね。トライアンドエラーの代償をでかくしすぎたのかもしれない。


 あと、クトゥルー神話ものとして読んだときにどう見えるんだろう……というのをずっと思ってるので、その道の専門の方に読んでもらえることがあればぜひ感想を聞いてみたいですね。私よりは何倍もクトゥルー識者のTRPG好きの友人が読んで感想くれたんですが、クトゥルー方面のことはあんまり言ってもらえなかったので……ハイタの名前がヒント的にしか出てこない上に答え合わせはビアスのハスター、っていうのが渋かったのかもしれないですが。


(追記:

大事なことを書き忘れてたのでこちらで追記します。偽の教授さんの講評にて、本作はおそらく前半パスティーシュで後半オリジナルだろうという話がされていたのでそちらを補足するのですが、一話目のみパスティーシュで二話・三話は完全に私が勝手に付け足したハスターとハイタのその後になっています。なお浅学なためパスティーシュという小説の形態を講評を読むまで知らなくて、内容も二次創作に近いと感じていたためTwitterでは「怒られそうな二次創作」と言っていました。じゃあなんでパスティーシュを、と言うと本当にこれといった理由はなくて、二話・三話のための下地としてビアスのハスターに自己流の解釈を付け足したものを一話目にするという構想のもと書いていたのがどうもパスティーシュと呼ばれるものだったようです……偽物川の講評は学ぶところが多い……!)

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