遠い思い出の中 (2014/02/21)
あざといね
偶然街で出会ったクラスメイト
声をかけてくれた
ちょっと照れくさいけれど
うれしいね
いつもより早く目が覚めた 火曜日の朝
あくびごまかしなから乗り込む
通学電車の 先頭車両で
気だるそうなあなたの姿見つけて
慌てて窓向いて 前髪直すの
「おはよう」もそこそこに
あなた視線逸らした先
友だちと話夢中で
おいてけぼり 私の空回り
カッコ悪いし
ホント せつないね
ただ本読んでいただけなのに
「文学少女」とか ヘンなあだ名つけないで
テスト勉強中の 図書室の隅
サボってるあなたの前 わざと通って
辞書のとこまで行くの
つま先立ちで
あなたを待ち構える 本棚の前
「そのぐらい取ってやるよ」って
近づくあなた
意地張ったフリして 寄り添う私
何か あざといね
親切だったり
素っ気なかったり
気まぐれなあなたに
振り回されて
修学旅行の写真
はしゃぐあなたと あきれ顔の私
旅立ちの日
強がって立ち尽くす私 振り返り
あなたは察したように 手を差し出して
「またな」って 握手した
これっきりなのに……
もどかしいね
自転車置き場 手を振るあなた
今はもう 遠い思い出の中
* * *
この詩を歌詞とした自作曲はこちら
あざといね
https://www.youtube.com/watch?v=KF_gw6v7o80
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