　ええ　おっしゃりたい事はわかりますとも

　わたしが　人と少し違っているわけというものを

　知りたいとおおせなのでしょう

　ご存じの通り　わたしは幻覚な家庭で生まれ育ちましたので

　礼儀作法がしっかりしている反面

　頭がおかしいという事もありますね

　父上は若かりし頃より　日常的に白い粉を服用していまして

　晩年　末期ガンでホスピス生活を送っていた時期も

　鎮痛剤と称して　アブナイお薬を多量に摂取した末

　文字どおり　別の世界へイッてしまったのです

　わたしが幼い頃の母上はといいますと

　警察にバレないように　手持ちのお薬を

　何と　わたしの粉ミルクの中にまぜていたという話を

　つい先日　聞いたばかりでございます

　それが原因かどうかわかりませんが

　わたしはよく　小さい頃から妖精さんをよく見るのです

　ほら　そう言っている間にも　あなたの周りに

　パンジーとサルビアの妖精が現われましたよ

　おっと　バナナの妖精ですね

　今度は　ギョーザのたれの妖精さんが飛んできました

　冷やし中華の具の中に入ってるマズいハムの妖精さんもいます

　意外にも一番かわいいのは

　正月のおせちの残りものの　だてまきの妖精さんですね

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