笑顔は置いて行く

 こんな時に私を抱いてくれるのは


   あの舞白な月だけ




   しなやかな薬指までが弦を撫でる


   幸福とはその一刹那




 死も


 もはや生命さえも その意味を為さない


 ある か


 もしくは ない であるしか 選択は与えられていない


 今 も


 昔 も


 明日 も


   全てを忘れて 歌う


            たった ひととき

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