Otométicomédie

 ぼくは道化師


 ウフフ どうしたんだい? そんなトコ突っ立っちゃって


 ダメだよ そんな物欲しそうな顔したって


 そう簡単にあげられるモンじゃないんだからね


 まあ あんたの気持ちはわからないでもないケド


 価格破壊が謳われてる昨今だしね


 でも アレの価値まで破壊されちゃたまんないね


 誤解を恐れずに言わせてもらえば まるで安売り市場だよ


 いくら相手の事好きだからって


 相手の腹の内も読めないんじゃ 商売人失格だよね


 おっと ホントに商売しろって言うんじゃないからね


 飽くまでメタファ~ってヤツさ


 ま やるのは勝手だけどサ


 しっかし面白いのはさぁ ぼくがこういう事言うと


 返って来る答えって いつも決まってんだわ


 そういう経験をつんで自分を研き上げていくんだ ってのと


 そういう経験の中で本当の相手を見付けるんだ ってやつ


 研き上げられた自分って 一体何様?


 本当の相手って 何なのさ?


 ぼくに言えるのは 一言だけさ


 みんな 偉大なる経験主義者達だってね


 用なしになった想像力は くたばっちまうだろうね


 そうなったら ぼくの商売もあがったりさ


 サヨナラってやつ


 そうそう 最後にいい事教えたげるよ


 この世の全てのものは相対的なのさ


 つまり 相手の存在の良し悪しも


 実は自分の在りようによって変わってくるのさ


 解ったら 今日はもうおやすみ


 好きだよ ちょっとだけ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る