逆木がもと

 人の子よ


 幻想の僕よ


 汝 何が為に生きるのか


 汝 誰が為に思うのか


 其れらが問い 全て幻想より出でしものなれば


 求むる答えも また然り


 汝が日常は 現実に似て非なり


 常識は真実に似せて創られしものなれど


 真実に根差すものにあらず


 故に其もまた汝が幻想なり


 げに儚きが現世の常なれば


 其に寄り掛からむ事 止む無し


 然れど我 汝のやうに歩む事望まず




 空蝉の 世に満ちる夢 数あれど


   愛より尊き ものなしと知る

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