神学者のフーガ
突然の出会いには
身構える暇さえなかった
貴女はまるで
天より舞い降りて来た 戦乙女のように
一瞬にして 俺の魂を奪い去る
理屈の鎧なんて
情熱の槍の前には ぼろきれも同然だ
気紛れ猫 或いは暴走ヨット
風向きは ころころ変わる
俺の言葉なんて
安っぽい錨ほどの効果もない
引きずられて ずたずたになるのがせいぜい
どうか せめて
甘い鳴き声の一つも聞かせてくれれば
俺に微笑みかける時の貴女の口許は
フルートを吹くかのように優しげなのに
その音色といったら
まるで打楽器そのものだ
しかも リズムは目茶苦茶
指揮者なんて言葉
貴女の辞書にはきっと載っていないのだろう
娼婦達の女神は永遠の処女
どこから見ても不純
中身は矛盾
貴女は自分を崇める司祭どもを蹴散らし
ばちあたりな異端者にだけ心を許す
それが俺ってわけだ
随分な時間をかけて悟りを開いた気分
歪んだ愛情
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