悲劇役者が最も幸福な理由

 まだそっちを見ているのか


 少しは私を気にしてくれ


 お前はいつもそうだ


 目標しか見ていない


 目的さえ確かならば


 手段などお前にとって何でも構いはしない


 達成する事が全てのお前だからこそ


 その後は決まって虚しくなる


 方法論ほどお前にとって無価値なものはない


 紙束を価値あるものにするために


 お前はそれを目的として定めるのだな


 技術や知識ではなく


 肩書きを得んがためにお前は必死になる


 それさえも私に言わせれば手段として用いるべきものに過ぎぬのだが


 お前にとっては紛れもない目標となり得る


 せいぜいがところ自身だけは見失う事のないよう


 私だけは祈っておいてやる


 どうせいつかは目が醒めるさ


 この言葉にどれだけ反発できるか


 楽しみだよ

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