遊歩道
時の足音が
私を 望まぬ道へと誘い入れようとする
お前は誰ぞと 問うたところで
答うる者はおらず
私は 再び 歩き始める
だが 私は お前を追い越すどころか
お前との距離を縮める事すら叶わぬ
走ろうとすれば それだけ
死に近付きこそすれ
お前に近付く事は出来ない
やがて 私は疲れ果て
その場へと膝を落とす
迷わされていたようで
道は一本しかなかったように思える
ふと 足下に目をやると
大地を覆う 無数の粒が目に入った
これこそ 私の求めていたもの
歓喜におののきながら それをすくい取るが
煌めきはただ虚しく
私の指の間を抜けていく
いつしか それは私の掌を
直に透り抜けるようになる
いや そうではない
私の肉体が同じ煌めきとなって
大地へ溶け込んでいくのだ
時よ 教えてくれ
私は 正しかっただろうか
私が 正しかった瞬間というのが
ただの一度でも あっただろうか
教えてくれ
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