第3話  『プロポーズされてません♡』

3.


杏 side:


 私たちは今回が初めてのお茶というわけでもなく、あのあと

坂口さんが別の話題に話を切り替えたのを機に、

いつものように軽口をたたき合いながら楽しい時間を過ごした。


 なんとか、泣きそうにならず、いつもと同じような笑顔で

乗り切れたと思う。


 思わず泣いてしまいそうになったけど、踏ん張ったわたし、偉い。

 自分で自分を褒めてやりたい。


 その夜、カフェで泣けなかった分、ベッドに入ると何故か涙が

ハラハラとこぼれ落ち、涙で枕を濡らすことになった。


 

 私はずっとここのところ、彼に自分の気持ちを告白しようか

どうしようかと悩んでいるのだけれど、告白する前にあっさりと

振られてしまった? のだ、たぶん。


 そうだよね、3才も年上で告白だなんて、厚かましすぎよね。


 正確には私の誕生日が過ぎると4才差になる。

 私は33才。誕生月の6月になると・・。

 目も当てられない。


 世の中にはう~んと年の離れた女性と結婚している男性もいる

みたいだけど、そういうのってよほど男性側からの押しが強くないと

成立しないのだと耳にするから、自分の場合を鑑みてみると言わすもがな

・・なんだよね~。


 気晴らし相手の域を出てないのが、少しカナシかなしい

 

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