ブリキの缶へ愛を込めて

ねぇ、あなた

わたくしが贈った手紙

覚えてらして?

知らないですって?

嘘を言わないでくださいな

あなたの寝室のベッドの下の

奥の奥に

ブリキの缶を見つけたのですよ

何かしらって思ってね

開けてみたら、びっくりよ

わたくしが何十年も昔に

あなたへ贈った手紙がこんもり入っていたの

残らずすべて

大切にとっておいてくれたのね

わたくし、

それがとてもとても嬉しかったのよ

また、手紙を書いていいかしら

好きにしろなんて言いますけどね

あなたの気持ちなんてお見通しなのよ

楽しみにしてらして

たっぷり愛を込めるわ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る