第147話 「あなたの世界に私はいない」

今もあなたの心は、南の島にいるのでしょう。

人生で一番輝いていたあの場所。

恋をして、家族を忘れたあの頃。


そうそこに、私はいない。


そして今、車いすに座るあなたは、目の前にいる私を通り越して過去の思い出に浸かっている。私を見て欲しいとは思わないけれど、過去に縋りつくあなたを私は複雑な思いで見ている。


あなたはきっと今も、彼女を求めている。

叶わぬ恋とわかっていながら……



月猫散文ノート☆彡

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