第66話 「忘れられない」

もう、二十年以上も前の話。

当時、集合住宅に住んでいた。

夜中にふと目覚めると、テーブルの下に人がいた。

寝相が悪くて、娘が転がってきたのかと思った。


娘の顔がこちらを向いて、目があった。

キラリと光る眼。

娘じゃない。ヤバい。

そう思った瞬間、金縛りだ。


そして、足元の小さな押し入れから

赤ちゃんたちがハイハイしてやって来た。


それが夢だったのか

現実だったのか

今も分からない。


ただ……

それから数か月後

同じ集合住宅に住んでいた方がお亡くなりになった。


脳梗塞だったらしい。



月猫散文ノート☆彡



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