〈コウノトリ献血〉
2027年には輸血治療が困難になる。
…と〈日本の未来予想〉本で読んだ。
「献血する若者が減るのに、血液製剤を使用する老人は増えるから」らしい。
「そのころには人工血液が供給されるので、そんな心配をするより適応を慎重にすべきだ」とも聞くが…。
○〈Choosing Wisely〉とふアメリカのキャンペーンこそ刮目すべけれ
青森県赤十字血液センターの柴崎至所長から〈献血感謝の集い〉のメールが届いた。
「コウノトリ献血とは、中村幸夫先生が1984年に企画実行!」と大書きされたスライドも添付されて…。
すでに二足の草鞋(周産期医療と輸血医療)を履いた頃だ。
「産科における輸血用血液の確保」は、日本輸血学会雑誌(1987年33巻3号)に掲載された。
その冒頭に「コウノトリ献血は、妊婦の家族や親せき・友人などに献血をしてもらい、そのとき採血所で渡されるシールを妊婦の母子健康手帳の表紙に貼ってもらうシステム。もちろん、これは強制されるべきものではない」とある。
さらに「医療機関に勤務する者が献血運動を推進する目的」として、論文には次の三つを掲げてある。
①献血者数を増加させる献血推進運動。
②妊婦や家族に対する〈産科出血〉への啓発運動。
③医師みずからが輸血用血液の貴重さを認識し適正な輸血を行う一助。
三十五年ぶりに「コウノトリ献血」が復活するそうだ。
〈名付け親〉の爺医としては何ともうれしい限り。
偉くなった後輩から送られたスライドを見ているうち、昔を思い出し自慢話にふけったようだ。
…と老いを送る。
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