第14話『迎えるサイド』

 童話の里に到着したのは、まだ明るい6時過ぎだった。

 いきなり酒宴に――なるわけはなく、長老とアインス・エターナリストがまず面会した。

「ようこそ、童話の里へ。儂が童話の里の長老のセイル・エターナリストですじゃ。こっちは助手のアインス・エターナリスト」

「よろしくお願いします」

 七三分けにした黒髪がトレードマークのアインスは、礼儀正しくスーツ姿で挨拶した。

「こりゃどうも!」

 畏まって挨拶する三人。

 かくして、万世の秘法の講習会が約1時間割かれた。

 マルクがその場に残ることになり、タイラーは集会所へ向かった。

「来たぞー!」

 簡易キッチンでは例によってポールとトゥーラの姿が。

 やはりランスとルイスが助手で、他は餃子づくりや枝豆もぎをさせられていた。

「よっ! よっ!」

 返事のついでにフライパンで焼きそばを返すポール。

「皮が破けちゃった!」

 そう言うオリーブの側に寄ったトゥーラがさっと手を貸す。

「ちょっとくらい破けても、滅多にはみ出さないから大丈夫よ。どんどん包んで」

「ふーん、わかった」

 なんだかんだ言っても楽しそうなオリーブだった。

「ナタルが上手なのよねぇ」

「さては奥さんに仕込まれたね?」

 キーツが言うと、ナタルは器用に餡を包みながら言った。

「ウチでは子どもも作るよ。やけに小っちゃかったり、皮二つで挟んだり、好きにさせてるんだ」

「へぇーっ」

 タイラーもオリーブの隣に座って仲間に入る。

「どうやるんだ?」

「私に聞くより、トゥーラに聞いた方がいいってば!」

 照れ隠しにオリーブは言ったが、キーツとナタルがそうはさせない。

「いいじゃない、教えたげなよ」

「手伝ってもらう絶好のチャンスだよ」

「またー! 二人してからかう」

「からかわずにいられましょうや? ねぇ、ナタル」

「そりゃあ後押ししますよ、なぁ、キーツ」

「二人とも手が止まってますよ!」

 ルイスに注意され、ハッとなる二人。

「すみませんでした!」

「もう……すぐ脱線するんだから」

 怒るルイスをくすくす笑うランス。

「実が熟すところですから、仕方ありませんよ」

「それにしたって……いいなぁ」

「ルイスさんだって視点を変えればいらっしゃるじゃないですか」

「……いましたっけか?」

 覚えがないルイスに、ランスは言った。

「なんていうお名前でしたか、ルイスさんの班のぽっちゃりした色白の、女性らしく長い金髪で笑顔がかわいい……」

 ガシャーン。

 ルイスが意外なことを言われて皿を落っことした。

「あーあ」

「大丈夫か?」

「すっ、すみません!」

 ランスが皿を片付けるのを手伝う。

「お怪我ありませんか?」

「はい……でも、ランスさんが変なこと言うから……」

「そうですか? あたらずといえども遠からずですよ」

 カーッと赤くなって、ドギマギするルイスだった。


















 




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