第13話 ごめん
保護者同士で話し合うことになった。
応接室。中には二人用のソファが二つ、細長い机を挟み対になって置かれている。そして一人用の椅子も奥の部屋からタナカが引っ張ってきた。
その椅子にはタナカが、二人用には太っちょ親子とタツヤと母親が座る。
親同士の話し合いの中で太っちょ、アツトがイジメを認め、タツヤがカッとなって鼻が曲がるくらい殴ってしまったことを謝り、大体の決着はついた。
そして二人共に1ヶ月の停学処分が下った。取り巻きも後ほど集められ2週間の停学になるらしい。
部屋から退出したところで、アツトは待っていた。タツヤが恐る恐る近づく。
するとアツトは頭を勢いよく下げ、
「その、ごめん。本当に。学校きていなかったのにチヤホヤされていたのが、羨ましくて。だから、ごめん」
素直な子だな、と思った。素直すぎて、自分の思うままに行動してしまったのだろう。でも、あれは明らかにやりすぎだった。
「ぼくも、カッとなって自分を止めることができなかった。ごめん」
こいつも然り。
「いや、悪いのはおれだ。だから、鼻のことは大丈夫だから気にすんな」
そして、俺も。
さて、明日からはまた、退屈な日々が続く。
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