(三)-7

 その後働きながら司法試験を受けたが、一次試験を通ることはできなかった。五回目でようやく一次試験を通ることができたものの、二次試験では不合格に。働きながらだと、ほとんど勉強試験を確保できなかった。その後も二次試験までは通ったものの、それ以上の成果は得られなかった。

 それでも弁護士になる夢を諦めきれず、その後も少ない自由時間をなんとかやりくりしながら勉強は少しづつだが続けていた。

 そんなこんなで司法試験の勉強と仕事の日々に追われているうちに気がつくと、俺は三〇過ぎてしまった。そして去年、毎週チェックしていた官報に、国分が刑期満了で出所してくるという記事を発見した。

 それまでは全くそのようなことを考えたことはなかったのだが、このとき、俺は、ひらめいてしまった。ある計画を。


(続く)

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