息子

『立て! 立つんだ!』


 しかし息子はぐったりと倒れていました。こんな大事な試合の時になんて様でしょう。隣で僕の恋人が呆れたように見つめています。


『待って、今日は調子が悪いんだ!』


 そう言い訳しましたが、恋人は、もう期待なんかしていないと言いたげに服を着始めました。

 そして、


『さよなら』


 と、一言だけいってホテルを出ていきました。

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