第693話 インラント外の罠2
落とし穴と通路が交互にあるため当然に通路部分を通れた者もいる。しかし、仲間が落ちていくのを横で見ているので勢いを落とそうとするが、通路部分を進んだ先では新たな落とし穴が待ち構えている。
その市松模様のような落とし穴が何段も、長さがまちまちで続くため誰かが先に落ちないと正解の通路部分がわからない。
さらに騎兵の勢いは簡単には止まらず後続部隊は次々と来るため、馬を乗り捨てて大きく逸れた場所にわざと落馬した者もいる。その者が、腕を振って声を張り上げて注意喚起を行うが、騎馬隊の騒音と馬を降りたことによる背の低さで目立たない。土埃も立っているため後ろからはなおさら気づけない。
「なんたるざまだ、これは」
落とし穴もそこまで深くはないので、高さ的には2頭も落ちればそれを足場に地面に手が届く。そのためほとんど死者は出ていないが、怪我をしている者が大量に発生している。この地方の帝国騎兵は金属鎧のものがほとんどであり、そのような状態になれば怪我をしていなくても起き上がるのも一苦労である。
落とし穴のエリアを無事に通り過ぎた者、もしくは落とし穴エリアの手前で無事に停止できた者は半分にもみたない。
その唖然とした状態に対して、ワイバーンのルッツに跨ったコンスタンが最初に現れてブレスにより脅すとともに、ディートマルたち100騎がなるべく広がるように戻ってきて元弓兵だった30騎はその弓矢を構える。
そしてさらに≪飛翔≫で現れたジェロたちが、≪炎壁・改≫などを彼らの周りを取り囲むように発動する。
「勝ち目がないことは分かっているだろう?ここで降伏すれば、穴に落ちても生きているものは助けることを約束しよう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます