第527話 王都解放後2
王都ジークセンの解放の後、協議の結果としてベルカイム王国との国境の手間に残っていた街を解放しに向かったユニオール皇国、コンヴィル王国などの連合軍。王都を出るときにはパレードによる戦意向上も行った。
モーネ王女やルネリエル王弟の上空からの説得、レジスタンスの協力などもあり、さらには王都を解放済みという話も伝わり、大した戦闘も発生することなく解放することができた。
「いえ、それは流石に筋が違うかと。この連合軍はラーフェン王国の領土回復、帝国軍からの解放が目的ですので」
その後の方針について軍議が開かれている中での話である。
皇国軍はやはりラーフェン王国のことよりも、属国のようであったベルカイム王国からも帝国軍を追い出すことに注力したい。王都ルージャンが帝国に落とされそうな、もしかすると情報伝達の遅延で既に落ちている不安もある。
コンヴィル王国はそろそろ自国のニースコンの街から帝国軍を追い出すことに専念したい。
ラーフェン王国の領土としても、西部と南部が未だに帝国軍の占領下にある。
共通目的がはっきりしていた段階では協力できていた各国であるが、少しずつ思いがずれて来て、関係性がギスギスしだし微妙な空気になっている。
「皆様のご意向もごもっとも。まずはここまでのことに重ねて御礼を申し上げます。ユニオール皇国の皆様はベルカイム王国の解放への対処に、コンヴィル王国の皆様は自国のニースコンの街の解放にお向かいくださいませ」
「良いのですか?……」
ルネリエルの発言に、ある意味拍子抜けになった両国ではあるが、その結論で解散となる。
「叔父上?」
モーネ王女にするとまだ両国の軍勢の力を借りて国内を解放すべきだと考えていたので、ルネリエルの意図が分からない。
「モーネよ、確かに彼らの力はありがたい。しかし、解放を特定の国にばかり依存して成し遂げると、今後の外交関係に悪影響を与えるのだ。例えば西部に関しては何としてもルグミーヌ王国と連携の上で解放してバランスを取るのだ。ラーフェン王国は帝国からの解放において、各国に大きな借りを作るかたちになるのであるから余計にそこを忘れてはならない」
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