第512話 レジスタンス活躍2

「何だと、ニースコンに固執するな、だと!」

「フェリック王太子に対して、なんたる無礼な発言!」

「いや待て。皆、落ち着け。ドナシアンは大局を見ろと言っているのだ。確かに我々は我が国の街であるニースコン奪還が必達目標であるが、そのために街に残った住民、そして我らの兵士たちの命を軽視して良いものではない。ゲンベランなどを解放していった後にニースコンに戻って解放する方が、我らコンヴィル王国の国民の命が少しでも守られるのではないか?」

「それは……」

「よし、口惜しいがニースコンへは牽制できる程度にして、ドナシアン達と協力してゲンベランに向かうぞ」




一方、ラーフェン王国の西方のルグミーヌ王国。

「お父様、まだご英断をして頂けないのですか!」

「メンヒルトよ、まだだ。我々は帝国に比べて小国。山々のおかげで今までは見逃されていたが、ベルカイム王国の次は我々かもしれないのだ」

「逆に今ラーフェン王国を解放すればその危険も無くなるのでは!?」

「ダメだ。我々ルグミーヌ王国には帝国との国境が残る」

「もしも各国の協力でラーフェン王国が無事に解放された際には、我々は臆病な国としての烙印が押されますわよ!」

「それでも良い。王族は一時の感情で国民を危険に陥れてはいかんのだ。モーネ王女達との約束は共同戦線、参戦表明であったが、あれ以降ちゃんと国境へ増兵しておる」

「それは詭弁ですわ」

「それでも良いのだ。もし王都ジークセン等が解放されて、ラーフェン王国の西部を順次解放して行くとなったときに合流するのでも良い。それで臆病と言われるのならばその烙印を国王たるワシがあまんじて受け入れる」

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