第479話 リブルドーの街2

大国同士の直接対決になっているリブルドーの街。

ユニオール皇国軍5,000人を率いて守勢として街に入ったサンディ・アデール将軍が軍議を開いている。

「代官殿、結局のところ、この街では持ち堪えられないということか?」

「は、はい。ここは戦火に見舞われた記憶のない街。国内の南北への主街道と東の皇国との街道の交差点で、交易の街であり……」

「そういうところほど重要な防衛拠点になるのではないのか?」

「は、皇国の皆様のおかげで平和を享受できておりましたので……」


確かにこの街の城壁は薄く、上に弓兵を配置できるのも城門の上だけで、壁の上は歩けるようにはなっていない。これで10,000人と思われる帝国軍を相手にするのである。街の防衛力も衛兵や民兵等を集めて1,000人というところであり、置かれている状況は厳しい。


「王都ルージャンからの援軍はどのくらいがいつ到着予定なのだ?」

「は、ザカリー王太子が率いて来られる準備中ということで」

「そんなことより先に少しでも将兵を、と伝えろ!」

「は!」

「皇都からの第2陣の状況は?」

「まだ見通しが立たずと。この第1陣も元々はラーフェン王国との国境への増兵でしたし」

「せめて、強力な魔法使いを数人派遣して貰うように要請しておけ」

「は!」


『なぜこんな貧乏くじをこの俺が……。いや、これを凌いで出世に繋げてやる。家柄やコネだけで出世していくあいつらを見返してやるんだ!』


「将軍!、大変です!」

「どうした」

「は、元騎士団の連中の仕業と思われる付け火が発生しております!」

「代官に言って、市中見回りを強化させろ!」


『くそ!絶対に成り上がってやる!』

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