第399話 ラーフェン王国脱出3
王都ジークセンからベルカイム王国に向かう街道の1つ目の街。この手前からは、山道ではなく街道を進んでいる。
モーネ王女が自国ラーフェン王国ではどうしても目立つため、騎乗でさらす訳にいかず、魔法の収納袋から取り出したジェロの馬車に乗せた方が良いとなった。ジェロの馬車は貴族用の物であり紋章も付いているが、隣国の新興貴族のテルガニ家の紋章なんて知られていないはず、モーネ王女を騎乗させるよりマシ、となった。
「ではモーネ王女とジェロ様が夫婦役ですか?」
「万が一にジェロ様の情報が流れていると気づかれるきっかけになり得るので、貴族の作法も認識しているマドロールが妹、モーネ王女が顔を隠して話さない姉、ではどうでしょうか?」
「私が貴族ですか?無理ですよ!」
「いや、皆の安全のためにお願いするよ、マドロール」
「はい……ジェロマン様のご指示でしたら」
「それとジェロマン様の容姿も知られている可能性を踏まえたときに、馬車にはモーネ王女、ジェロマン様、マドロールの3人でお乗り下さい。ジェロマン様は執事です。残り7人は護衛の冒険者で、見習い卒業したてのアルマティが御者です」
「わかった、レナルマン。じゃあ、モーネ王女の偽名、家名はどうする?」
「ルセルニア王国から来たゴルガ男爵家。姉フィロニカが顔を嫌いと言われて婚約破棄され塞ぎ込んでいるので、妹マドロールが付き添って旅に出たとでもしましょうか。婚約者がくれたラーフェンの風景画、王都ジークセン遠景を現地で見て捨てて来たと」
「レナルマン、次から次へと……」
「色恋関係を含めて人生経験は豊富ですので」
『ジェロとは正反対ね』
『うるさいな』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます