第251話 Aランク魔物ヴァンパイア

『ヴァンパイアって、日光や銀が苦手、他にも流れる水をまたげないとかあったかな。再生能力も高いし、霧やコウモリにもなれるとか』

『相変わらず変なこと知っているわね。そんな感じね。とにかく魔法攻撃を続けないと』

『分かった。ヴァル、ハポリエル、一緒に攻撃して』


どれだけ効果があるのか分からないが、多めの≪水生成≫を正面階段の上部に当てることで、階段に水が流れるようにしつつ、ジェロが使える一番威力の高い上級風魔法≪雷撃≫を連発する。≪豪炎≫も上級火魔法であり火に対する理系知識もあって通常より威力は高いが、古代魔術を知る≪雷撃≫の方が最大出力を高くできる。同様に古代魔術を知る≪岩槍≫もあるが、こちらは前世の理系知識でも威力向上が出来ていない。

中級回復魔法≪浄化≫を発動すると、ヴァンパイアのアリジズの表情がゆがむので、こちらもときどき混ぜて発動する。

ヴァルとハポリエルもそれぞれが放てる攻撃魔法を連発している。

「何だお前は。普通の人間が扱える魔法量ではないだろう!」

アリジズの焦りが伝わってくるが、空中を飛んで回避しながら≪氷結≫などと並行して、自身の血を刃にしたような真っ赤な短剣も次々と放ってくる。

ジェロは唯一習得した武技である≪回避≫も使用しながら、避けられない場合には≪結界≫を使用する。


Aランク魔物とは言え、こちらの手数が実質3人であることもあり当初から優勢なまま推し進めている。

「このままでは!」

アリジズがイドたちの方を攻撃することで隙を見出そうとしたが、逆にそちらに気をとられた隙をついてアリジズの前面に≪結界≫を張ることにヴァルが成功する。

「こうなれば!」

コウモリに変化して奥の部屋に逃げていかれてしまう。


「追いかけます!後をお願いします」

「任せてください!ジェロ様もお気をつけて!」

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