第149話 モージャン領主館への呼び出し3
領主館から冒険者ギルドに戻って来てギルドマスターの部屋で話をしている、アンブリス、ジェロ、そしてメオン。
「メオンさん、あの王太子って国境で生死不明と言われていた人ですよね?」
「あぁ。ボロボロの姿でニースコンにたどり着いたのだが、あの性格であまりに偉そうだったので詐欺と疑われていた。1人だったから余計に。他の者は?と質問したのだが、足手まといで捨ててきたと言ったらしい。あの雰囲気的には家臣を囮にした可能性もあるがな」
「メオンも大変だったな。なんであんなのと一緒に来ることになったんだ?」
「はい……。ニースコンでも、国を奪還する兵を寄越せとあの口調で領主様に言ったようですが、他国の王太子といえども無理と男爵様が断られ。では冒険者を兵として雇うから金を寄越せと言われて、そこまでの大金は無理と断り。会話の中で、王女や第2王子もニースコンにたどり着いた後にモージャンに避難されたことを伝えていたので、自分も行かせろとなり。前回はジェロ達だったから、今回は仕方なしに私を含めたガニーからの応援部隊の残りメンバで、に。ニースコンには人が残っていませんので」
「そうですか……でも、良く無事に到着できましたね。私の時は大変でしたよ」
「あぁ帝国兵か。ジェロのように女性や子供ではなく、王太子は男1人だったからな。おだてておだてて何とか冒険者の格好をさせて紛れて貰い、目立つ発言をさせないようにして何とかこの街まで連れて来たよ」
疲労感いっぱいのメオンであった。他のガニーの街からの冒険者達も、変なお守りから解放されて既に酒場に居るはずであり、この後に合流する予定である。
「色々とお疲れだったな。ところで、ドナシアンはどうした?冒険者を連れてニースコンに向かっただろう?」
「はい、来ました。ただ連れてきた冒険者と一緒に、すぐにラーフェン王国に入っていきました。支援に行った冒険者の救出という名目でしたが」
「そうか。要らぬ騒動を起こしていないことを祈るばかりだな」
“ジェロ班”も含めて元々アンブリスの元でガニーの街の冒険者やギルド職員であった者達は酒場で、久しぶりの交流を喜び合い、某王太子の愚痴も酒の肴に懇親を深めるのであった。
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