第18話 合同コンパ2

ヴィクシムが取引先のヤンクイユ商会の女性3人を呼んで開始された合コン。

「ねぇ、このジェロ、良い顔をしているでしょう?こいつ凄いんですよ。この前は原因が分からない意識不明の子供を回復魔法で治したり、俺の鑑定魔法を1日で習得したり」

「えー、すごいじゃないですか!」

「でもそれってヴィクシムさんは不要、クビになっちゃう?」

「それは困る!でもそうなったら養ってくれる?」

「嫌だー」

「そうだよなぁ。その点、俺はこの腕で養っていく自信があるぞ」

上腕の筋肉をアピールするバスチャンを含めて、ヴィクシム、ブリジョゼ、ジェリーヌの4人で盛り上がっている。大人しいエマニックとジェロはうつむきがちなままである。


「ねぇジェロマンさんって、そんなに魔法が得意なのはどこか良いところの家の出身なんですか?」

「ジェリーヌ、玉の輿を狙っているの?」

「違うわよー」

「いえ、孤児院の出身です……」

「あら」

「いや、そうは言っても、魔法だけでなく計算や知識も凄いんだよ、ジェロは。生まれなんて関係なく」

ヴィクシムがフォローしてくれる。


「そういえば、うちの商会にも昔、孤児院から見習いに来た計算がとても得意な男の子が居たわね。接客が苦手で辞めちゃったけど」

「そうそう、彼のお陰で商会の上の人たちからの若手への計算能力の期待値があがっちゃって。それからよね、接客など色々なことを出来る子だけでなく、裏方のみでも役立ちそうな子でもちゃんと採用、育成するようになったのは」

「あれから何年も経つけど、歳はジェロマンさんぐらいだったかも」

「はい、昔、ヤンクイユ商会で見習いとしてお世話になったことがあります……」

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