考えながら過ごす日々
焼き肉を食べ終わって帰宅した。
「お風呂沸かすわね」
「うん」
恭介君をベビーベットに寝かせてから、お風呂を沸かしに行った。お風呂を沸かして戻ってくると恭介君が泣いていた。オムツを替えてあげるとすやすやと眠ってくれる。
「入ってくるわ」
「うん」
お金があるとあいつは、普通だった。100万円はどうやら心に余裕を生んだみたいだった。あいつが、風呂から上がってきて雪那ちゃんと恭介君と三人でお風呂に入る。
「パパ」
「恭介な」
そう言って、連れていってくれる。お金の力の偉大さを改めて知ったのだった。私は、雪那ちゃんとお風呂に入ってあがった。私もドライヤーやメイク道具を買いたい。心を豊かにしたい。そんな風に思った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あれから2ヶ月が経っていた。私は何度も何度も千秋に会った!その間も、磯部葵は、全く目を覚まさなかった。そのお陰で、私は千秋との日々を重ねる事が出来た!あいつに無理矢理されたら、千秋を呼んだ。母乳を渡しに行くと嘘をついて、出て行って…。千秋に抱いてもらったのだ。時間が長いと怪しまれるから、なるべく短く愛し合った。千秋が休みの日になると、事故の件で警察に呼ばれていると嘘をついて会いに行った。短い時間だけど、私達は愛し合った。
「千秋」
「葵、一緒に居たいよ!子供も一緒に暮らそう」
「無理だよ」
「まだ、目が覚めてないから大丈夫だよ!だから、葵」
「そうしたいけど、無理よ」
「葵、何で…」
千秋は、ボロボロ泣いてくれていた。
「ごめんね」
「葵…」
私は、千秋と別れてから、帰宅すると、夫である誠に平手で殴られた。
「何?」
「葵、これなんだよ!」
「何これ?」
スマホに千秋との写真がある。
「誰かが浮気してるって送ってきたんだよ」
「この人は、パパ活よ」
とっさに嘘をついた。
「なーんだ!葵が俺を捨てて出ていくのかと思ったよ!パパ活なら、いいや」
どういう意味なのよ!パパ活ならお金になるからいいって事なのかな?
「私、もう誠とは暮らせない」
何かがちぎれたのを感じた。恭介君を抱き抱え、雪那ちゃんを連れ出す。
「待てよ!葵」
「離して!行くよ!雪那」
「うん」
「葵、待てって」
玄関を開けると千秋が立っていた。
「テメー」
千秋は、殴られた。
「行くよ」
気にせず立ち上がって、私達を連れていく。走って来れないのをわかっているから、千秋は私達を走らせた。
「はぁ、はぁ、何でいるの?」
「はぁ、はぁ、これ、忘れてたから」
息があがるのを感じる。千秋は、私達を車に乗せた。
「そんなの次でよかったのに」
千秋がこれと見せたのは、こうやって会うようになってから二週間が経った頃に千秋がくれたキーホルダーだった。アクセサリーは、よくないからとキーホルダーをくれたのだ。私達が車に乗ると千秋は車を出してくれた。
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