ハイスペックな幼馴染は陰キャな僕を見捨てない
福屋ケンタ
久々の邂逅
「ゆーくん?」
気づいちゃうか…と思ってしまう自分と、見つけてくれた!と思ってしまう自分がいる。
そんなことを心の中で思っていても、彼女は僕に近づいてくる。
「ゆーくんだよね!久しぶり!覚えてる?」
周りからの視線は興味や嫉妬など様々。彼女の隣にいた彼女の友達らしき人達も「誰?」みたいな顔をしている。
「ゆーくん、元気だった?私がゆーくんのおうち行っても全然会えないからさ、どうしてるのかなって思ってたけど…」
そんな高校1の美少女との呼び声が高い彼女の顔が俯いている僕の顔を覗こうとしている。
「…くれ」
「ん?」
「やめてくれ!」
と覗き込もうとしていた彼女の近くから走り去った。
「ゆーくん!」
と僕の名前を叫ぶ彼女。でも気にしない。
だって、僕は彼女と話をしてはいけない人間なのだから。
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