Ⅴ World wide④ 楼蘭の乙女 あらすじ

 二十一世紀半ば、古生物学者の大隅悟郎教授と大隅宏治(旧姓田村)は分子生物学者トーマス・バトンから、上海の古生物研究所に保管されているミイラ、通称ローラの特異なDNA解析結果と多量の未分化細胞の存在を知る。大隅教授と宏治が所長アレクセイ・ラビシャンともにローラを観察すると、ローラは特殊光を発した。三日後、大隅教授と宏治のDNAにテロメラーゼの分泌とエクソン変異が現れて、体細胞に未分化細胞が増加した。二人がローラからテロメアのエネルギーを受け継いでテロメアが初期化されたと判断し、トーマスはDNAの分子記憶解明にドイツの宗教科学者モーリン・アネルセンに会いに行く。

 ローラに関心を持つ古生物学者のオイラー・ホイヘンスは、ラビシャンと監視システムから宏治のテロメアの特異性を知る。ホイヘンスは移植臓器を管理培養する財団の総裁に就任後、臓器培養のため宏治の拉致を試みて失敗して死なせるが、ローラからテロメアのエネルギーを受け継いだ宏治は復活し、ホイヘンスは大隅教授と復活した宏治二人を拉致して二人の配偶子を得る。

 大隅教授の妻かほりと宏治の妻ユリは、夫たちがローラから若返りと再生能力を受け継いだため、ローラの能力を持つ胎児を妊娠して老いにくくなっていた。妻たちは夫たちを救うべく、トーマスを探してドイツのモーリンの元へ行くが、ホイヘンスの脅威が迫る。

 ラビシャンは、大隅と宏治が拉致されて妻たちが逃れたのを知って責任を感じる。遅ればせながらローラの光の影響が現れて、初老のラビシャンは若返り、教え子ネリーとの間に子供ができて結婚する。二人はホイヘンスの脅威が迫る、かほりとユリとモーリン、トーマスたちの救出を考える。

 連邦統合議会対策評議会は、政府要人に移植臓器を提供して政治に介入しつつあるホイヘンスを水面下で潰そうと画策し、地球防衛軍の駐留軍指揮権をラビシャンに与える。

 ラビシャンとネリーは駐留軍を指揮して四人を救出し、グァテマラのティカルへ移住する。

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