~和の少女達~
「じゃあ、
「……はい。昨日、災害に直面したとは思えないくらいケロッとした
「
「はい。
「そっか、
「どうして土曜日の特別授業の
「いやだ!
「またあの先生か……! 基本的人権の存在はどうなってる!!」
「お待たせしました。カフェラテ・オレに、
それに続いて、数枚のミニクレープが並べられる。
「あれ? クレープってメニューにありましたっけ、
「
「これは私の趣味で焼いたものです。サービスですよ」
喫茶店ただ一人の店員である女性はそう言い、上品さを
どうやらボブウェーブの少女の呼び方に女性店員もまんざらではないようで、「
「そういえば前にここを出るときに、お菓子がどうか、って言ってたっけ」
パーカーの
それに対し、
「そうね。その時
「そうですね。それにしても……昨日はまた
「なになに、
それを、隣に座る少女がダークブラウンのボブウェーブを全く揺らさずに、彼女の
「あぶふっ」
「
「それは助かりました。ありがとうございます」
オーバーオールと白いシャツに身を包む黒髪の少女は、正面に座る落ち着いた方の先輩の少女に
「うぅ~………。せっかくの土曜日だったのに遊びに行きそびれたんだよ……。お母さんのとこにも行ってたし」
「その分さっきショッピングに行ってきたんだからいいじゃない。
そう言う並んで座る二人の少女達の両脇、椅子の足元の荷物カゴには、再生紙の紙袋や
「ホントは
「病み上がりの人間を連れ回すつもりだったんですか」
「いやいや! そういうつもりで言ったんじゃないよ! ただ、
ボヤく赤茶毛の少女は、テーブルに
「ん-、おいしー。そうそう。
「ああ、これ。
「え……?」
そしてドリンクが倒れないように気を付けながらテーブルに身を乗り出して、白シャツに映える少女の黒髪にそれを結んだ。
慣れないヘアアクセサリーに
「いいなー。
「うん。やっぱり私より
「そ……そう、ですか?」
「わー、照れてる
普段の態度からは珍しい、照れた様子を
「そ、それはそうと、もう少しで中間試験らしいですが、
「わー! せっかく考えないようお買い物とか行ってたのに!! なんで修学旅行の前にテストがあるんだよー………」
「修学旅行の後にくるよりはよっぽど良いとは思いますが。むしろ試験の後に修学旅行を
効果はてき面らしく、パーカーの少女はテーブルから体を起こして慌てふためく。
しかしその隣で、ボブウェーブの少女は生気を失った顔で声を漏らす。
「てす、と……ああー!! せっかく、忘れていたのに! どうしてテストなんてやるのよー!!」
「急にどうしたんですか
普段の落ち着いたマイペースな態度からは想像もできない程に取り乱す先輩に、
「あー。
「なるほど、この人より悪い点を取ってしまうというのは、確かに発狂モノですね」
「
「いいのよ! 高校の入試に
「多くはそうでしょうけど、場所によっては出るところもあるでしょう……」
「あ、このクレープめちゃくちゃ美味しー!」
「一番不安を
意外な好物を無自覚に
「そんなことよりも修学旅行よ! せっかく楽しい時間を過ごしているのだから、楽しい話題にしましょう!」
「修学旅行……そういえば、
ミニクレープを乗せた皿をはす向かいの少女の側から中央へ寄せる黒髪の少女はそう言って、同時に移動させた冷やされたホットミルクを口にする。
「(それ暖められた意味はあるのかしら………?)」
「あー。この間みたいな緊急の事件でもない限りは、大きな学校行事が優先されるかな。
「そうなんですか。それはそれで大変ですね」
「その時は、てりやきさんのことは、大丈夫なの?」
既に隣に座る国家魔法少女の相棒のことを
「……そうだ。ごめんね
「いいのよ。事情は聞いたし、
「私もその話は聞いていましたが、
口に
「んー?」
「
「………あぁ……うん。大丈夫だよ! 心配してくれてありがとう
顔を上げて、いつものような笑顔で炎の
「べ、別に心配というわけでは。それは
普段のように元気になったにやけ顔の先輩を見て、長い黒髪の少女は言葉の途中で手に持っていたミニクレープを口に詰め込んだ。
「……テリヤキは居なくなったわけじゃないから。それに、いつかテリヤキは元に戻すって決めたから! だから、
「ええ。楽しみに待っているわ」
「私は別に求めてはいませんが。……まあ、その時は、テリヤキさんに
先程とは違う嬉しそうな笑みを浮かべる先輩の少女に、後輩の少女は引きのポーズを取って見せた。
それに対しミニクレープを頬張って
「ん~~? ふふ。ううん、なんでもない。ただ、この時間を
余章 - 始まりの終わり
第一編‐国家魔法少女ふれあ🔥トモナ
完
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