第一編 国家魔法少女 ふれあ🔥トモナ
序章 - 邂逅
0-1 ~魔法の少女~ MAHOU
『
これは、
夢の中なのに、今、
今までそんなことはなかったのに、変な感覚だ。
これはあれだ。確か、
そんなことはどうでもいい。
さっきまで、おばあちゃんやお母さんが出てきていたような夢だったかと思ったら、今、夢を見ていると認識した
顔も声も、所々が
そもそも、その前のお母さんやおばあちゃんも、本人だと分かったけど、どんな格好をしてどんな顔をしていたのかも覚えていない。
というか、なんでこんな夢を見ているのだろう。
姿かたちは
とはいっても、
少しして、また場面が変わる。
今度は、
……誰が? ……どうやって?
また、場面が変わる。元気な少女が、台風を
少し困惑する。また場面が変わる。
泣きじゃくる女の子。この女の子は、どこか見覚えがある。いつも会っている。なのに、誰だか分からない。場面が変わる。目の前で、誰かが死んだ。――かと思ったら、すぐに生き返った。ワケが分からない。
日本の山奥で、修行。なぜ急に? 世界中を旅している。キャンプをしている。何か、女子トークをしている。海で水着大会。
次々に、場面が
『次は、
次は、
「――って降りなきゃ!!」
飛び起き、視界に入ったのは、動作の音を
代わりに、それを知らせるピロンピロン、という電子音が鳴っている。
扉の近くに立っていた人達が、続々と外へ歩いていく。
「わー! 待って待って!
眠りこけていたシートから飛び起き、
その背後で、また軽快な電子音が鳴り響き、
安堵に一息
その時、短い電子音のメロディーが降り立ったホームに響いた。
そして良く耳を
何両か連なるそれを見送って、ふと視線を上げて
「そうだ学校! 早く行かないと! コマリちゃんが先に行っちゃう!」
今日は寝坊して、いつもより一本遅い電車に飛び乗ったのだった。
「遅いわよトモナ。あと四十秒で来なかったら先に行くところだったよ」
国道245号線のなかなか変わらない信号にヤキモキしてから、急いで走って向かった住宅街の交差路。
その
「うぅ……ごめんね
「
「うっ」
その通りだ。
昨日は、
だけど、そのおかげで帰ってから寝る時間が遅くなってしまった。
けれど、それは
魔法少女は、その正体を
「そ、そうなんだー。実は昨日、面白い本があって
「それで寝坊した、と。ま、どうせマンガだろうけど」
「あ、あはは」
確かに
だからごまかせるなら、それに乗るに越したことはない。
それにしても、ヒドい言い草だ。
「…………。まぁなんでもいいけど、髪がよれてるわよ。どうせ電車でも
何か考えるような
「えへへ。ありがとう。
「まったく。ほら、にやけてないで、早くしないと遅刻するよ」
「あっ。待ってよ
頬を
今日三度目のランニングだ。
今日の授業に体育がなくって良かった。……あれ? なかった、よね。
そんなことを考えながら、頭の
さっきの、
昨日、魔法少女として、初めて戦った時のことを。
不思議な、出会いのこと、を。
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