第11話 廃ビルと喧嘩
廃ビルの一室
今夜は、資料室らしき場所で一夜を過ごすことにした。
ここにはバリケードに使えそうな物が沢山ある。
運良くドアも残ってたから、棚とか椅子とかをバリケードにして寝袋を敷く。
「…ルー、どうして寝袋を出さないの?」
「なんとなく分かってるんじゃないの?ミドリと一緒に寝るためだよ」
「流石に寝袋に二人はキツイよ。それに、一緒に寝たら絶対何かしてくるだろうからヤダ」
寝袋をルーから離して拒絶する。
すると、ルーが『やれやれ』という態度をとった。
『やれやれ』って言いたいのは私なんだけど…
私はちょっと不快に思いながら寝袋の中に入る。
ベッドと比べると寝心地は良くないけど、適当な布を敷いて寝るよりは何百倍もマシだ。
疲れが溜まっていた私は、その心地よさですぐに寝てしまった。
…っ!?
私は危険を察知して飛び起きようとする。
しかし、体を思うように動かせない。
まるで拘束されているような…まさか、ルーが私になにかしたのか?
…そう言えば、私は寝袋で寝てたんだった。
「あっ、ミドリ起きた?」
目を開けてあたりを見回すと、ルーが私の寝袋の近くに来ていた。
「ルー…まさか、夜這いをしようとしてたんじゃないでしょうね?」
「ギクッ!そ、そんな事しないよ〜」
「今、思いっきり『ギクッ!』って言ってたよね?」
絶対わざと言ってるよね?
バレちゃったから、可愛らしく振る舞って許してもらおうって魂胆か?
まったく、そんなので許してもらえると思ってるのかな?
「やり方教えてあげるから、一回だけ…」
「夜這いが駄目だったから普通に誘ってるの?言っておくけど、私は寝たいから残念ながらそのお誘いには乗れないね」
そう言って寝袋に戻ろうとすると、ルーが飛びかかってきた。
「夜這いも誘惑も駄目なら、無理矢理犯すまで…さあ、私の相手をしてね」
「この変態が……」
「そう言いつつ抵抗はしないんだね?」
「したって無駄でしょ?下手に抵抗して喧嘩とか殺し合いになるくらいなら最初から大人しくするよ」
ルーの首の後ろに手を回して、顔を私に近付けてキスをしやすくする。
私の意図を理解したルーが、そのまま顔を下ろして唇を重ねてきた。
私はルーの後頭部を抑えて離れられないようにしたあと、ルーの口の中に舌を入れる。
すると、待ってましたと言わんばかりにルーの舌が私の舌を絡め取ろうとする。
私はルーに口の中を好き放題されるのが嫌で、必死に抵抗する。
すると、ルーは顔の向きを変えて舌を口の中に入れやすいようにしてきた。
そして、私の口の中に舌を入れて、私の歯や舌を舐め回す。
私も負けじとルーの口の中に入れた舌を動かしてルーにされた事をそのままやり返す。
しばらくルーの口の中を舐め回していると、ルーの舌が私の舌を攻撃してきた。
舌を絡ませて引っ張ってきたり、無理矢理押し返したり、めちゃくちゃに舐め回したり。
もちろん、やられっぱなしではいられない。
私もルーと同じ事をしようと、必死にルーの舌に私の舌を絡める。
しかし、ルーは舌を巧みに操って反撃してくる。
私達は、お互いの口の中で一進一退の激しい攻防戦を繰り広げた。
例え息が苦しくなっても、鼻で呼吸すればいいだけ。
それに、お互いの顔に吐息が掛かって相手の必死さが伝わってくる。
自分も負けていられないと戦意高め、攻撃の手を一切緩めない。
そんな攻防を続けていると、急にルーが私の舌を攻撃するのを止めた。
「どうしたの?」
口の中から動くものが無くなり、寂しさを感じていると、ルーがニヤリと笑って私の服に手を伸ばした。
「良いでしょ?」
それだけで何をしたいか分かった。
私は特に嫌がる事なくルーを受け入れ、逆にルーの服に手を伸ばす。
私達は邪魔な衣服を剥がし合い、素肌を晒し合う。
私の服を剥いだルーは、私の背中に手を回して下着を外し、胸部を完全に露出させる。
そして、現れた果実を優しかったり、激しかったり、様々な力でほぐしていく。
私は、手足を大の字に伸ばしてルーのされるがままになる。
先端を執拗にいじられたり、全体的に優しく揉まれたり、吸い付かれたり、甘噛されたり。
体をルーに預け、好き放題させた。
「ミドリもやってみる?」
ルーはそう言うと自ら服を脱ぎ、下着を外して寝袋の上に転がる。
そして、私と同じように大の字になって体を預けてきた。
私はルーの好意に甘えて、私よりも大きそうな果実に触れる。
とても柔らかいその果実は、私が力を入れる度に形を変えて私の手の中に収まる。
私は、ルーが私にしてきた事を思い出しながら、やられたことをやり返す。
ルーの顔を見ると、とても嬉しそうで満たされた顔をしていた。
しかし、満たされた顔をしているにも関わらず、その目の奥にはさらなる欲望が見えた。
私はルーの果実を触るのを止めて、ズボンと下着を脱ぐ。
そして、ルーのズボンと下着も同じように脱がした。
「ミドリの方から来てくれるなんて…嬉しいなぁ」
「ルーが物欲しそうな目をしてたからね。私にもやり方を教えて?」
私がそう言うと、ルーは私を自分の膝の上に乗せて優しくやり方を教えてくれた。
実際に私の体を使って。
私は割と物覚えはいい方だから、すぐにルーから教わった事を活用出来るようになった。
そして、わざと二人で狭い寝袋の中に入り、逃げられない状況を作って攻め立てあった。
翌朝
「眠い…」
「私も…」
あれから、お互い体力が尽きるまで責め合ったせいで、私達は完全に寝不足だった。
こんなに疲れたのは、ルーと殺し合った時以来かも知れない。
それくらい、昨日の夜は激しかった。
「もう少し自重してよ…」
「はあ?最終的にミドリが誘ってきたじゃん…」
「だから何?そもそも、ルーがあそこで欲情しなかったら、こんな事になってないし」
「だから全部私のせい?それは酷いんじゃないの?」
寝不足の理由になった昨日の夜の事を怒ると、ルーも私に対して怒ってきた。
確かに、全部ルーのせいにするのは良くない。
ても、それでもルーが欲情してなければこんな事にはならなかった。
「…まだ不満?」
「疲れてるの。あんまり不快な気持ちにさせないで」
「なにそれ?ちょっと自分勝手過ぎない?」
文句を言うと、ルーは不機嫌そうに責めてきた。
私はそれを無視し、わざとらしくあくびをする。
すると、ルーは舌打ちをして背を向けてきた。
それ以降、ルーと話すことは無かった。
◆
私達は、そういう関係になるにはまだ早かったらしい。
確かに、出会って3日で肉体関係を持って、そのまま付き合うなんておかしな話だ。
この喧嘩は、当然のものなんだろう。
でも、私はルーを失いたくない。
機を見て仲直りしよう。
私は仲直りすることを心に誓うと、未だに不機嫌そうなルーの様子をうかがう。
すると、ルーが眉を顰めながらこっちを見てきた。
そして、私に対して文句を言ってくる。
「さっきから何?チラチラ見てきてさ…鬱陶しいんだけど?」
「はあ?気を遣ってるのにその言い方はなに?多少不快でも、それくらい大目に見てよ。器が狭いなぁ」
「チッ…なんでそこまで気を遣わないといけないのよ…」
不満そうに舌打ちをするルーを見て、私は心が痛くなった。
勢いで喧嘩腰な言い方をしちゃったけど、本当は仲直りしたい。
だから、あんな事を言ってしまった事を後悔した。
しかし、今更後悔したところで遅いので、諦めてチラチラ様子を見ない事にした。
だけど、それがいけなかった。
「っ!?ミドリ!!」
見てはいないけど、やっぱりルーの事が気になって気が散っていた私は、視野が狭くなっていた。
ルーに突き飛ばされ、何事かと振り返ると、ルーは首を撃ち抜かれていた。
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