第279話山風に 桜吹きまき 乱れなむ

うりんゐんのみこの、舎利会に山にのぼりて帰りけるに、桜の花のもとにてよめる

僧正遍昭

※うりんゐんのみこ:雲林院の皇子(常康親王:仁明天皇の皇子)。

※舎利会:仏舎利供養の法会。比叡山では重要視されていた。


山風に 桜吹きまき 乱れなむ 花のまぎれに 立ち止まるべく

                       (離別歌394)


比叡山からの風で、桜を吹きまいて、散り乱れて欲しいと思います。

そうなれば、桜吹雪で(帰り道もわからず)、立ち止まってしまうでしょうから。

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