第37話夢の内に 逢ひ見むことを 頼みつつ

題知らず

よみびとしらず


夢の内に 逢ひ見むことを 頼みつつ 暮らせる宵は 寝む方もなし

                        (恋歌一525)


せめて夢の中でお逢いできることを願いつつ日を暮らした宵は、さて、どの方角に枕を向けて寝たらと迷い、なかなか眠ることが出来ない(夢を見ることも出来ない)のです。


※当時は、枕の方角で、望む夢を見ることが出来ると信じられれていた。


参考

はかなしや 枕さだめぬ うたたねに ほのかにまよふ 夢のかよひ路

                      (式子内親王千載677)


枕の場所も、しっかり定めないで、ついうたた寝をしてしまった。

夢でしか通ってくれないあの人も、その路がぼんやりとして迷ってしまうのかな (なんて はかないことだろうか)

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