顎関節症で人生が詰んだ話。

中原恵一

地味に困る病気

 顎が痛い。

 死ぬほど痛い。


 顎関節症は特別マイナーな病気というわけでもないが、私の場合特に痛みがひどいらしい。

 二十三で発症してから、ただ人と話しているだけで激しい痛みが出るようになった。

 目の奥からバキバキミシミシ変な音が聞こえてきて、上下のあごのかみ合わせが悪いのか喋ったり物を食べたりするときに頬の肉やら何やらを噛んで出血。


(もっとよく調べたらあるのかもしれないが)例え患者本人が「本当に耐えられないほど痛い」と言っていても、明確に傷があるとかではなく原因が不明だと医者も病院も治療不能で「痛みがある」ということすら証明できないらしい。これのせいで私の人生は冗談抜きで詰みかけた。

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