白いニャンコ。
我が家には現在3匹の猫がいる。
黒いのと、三毛なのと、ハチワレなのと。
以前白いのが居たのだが、天に召されてしまった。
黒いのと、三毛のと、ハチワレのは、地域の保護猫活動をしている方から譲り受けた連中なのだが、白いのは野良であった。
自分にとっては白いのが初猫飼いになった瞬間だったので、かわいくて仕方なかったのだが、病気に気づいてやることが出来ず、本当に後悔しか残っていない。
白いのは、ある日我が家にやってきて、あれよあれよと居座った。
野良だったので、玄関に座って出ていくと言えば出してやってる感じだったのだが、衝撃の日がやってくる。
その日、相方の具合が悪く、近所の医院で診察を受けたが、紹介状を持って大きい病院に行ってくれと言うので、総合病院へ。
尿管結石という診断であったが、総合病院なので1日仕事。
朝にでかけて家に帰ってきたのは夕方だった。
相方をおろし、車を停めて玄関に向かうと、玄関横の窓の下に白いのが居た。
留守だったからなぁ~と窓を開けてやったのだが、いつもならピョンと入ってくるのに入ってこない。
どうしたんだと見てみると、前足の左側の方の辺りからごっそり毛がなくなり、赤い皮膚が見えているではないか。
驚いて相方に言うが、相方も自分の体調で手一杯。
だが、相方は人間であるので、自分のことはご自分で! と言い放って、置いてあった使ってない自分のリュックに白いのを詰め込んで、動物病院へ。
先生曰く、表面の皮だけでなく、肉もごっそり行ってると、手術してもどうなるか分からないと言われ、野良なら傷が治っても生きていけないかもしれない、それに費用は誰が出すのかということ等々、色々言われたが、20万までなら出すから手術してほしい、終わったら自分が責任をもって飼うということで手術。
退院までは毎日面会に行き、自分を認識してくれているのか、か細く鳴いて膝に乗ってくれたりしていた。
退院すると、手術のショックで一時期食事をしなくなったので、喉にチューブを入れていて、そのチューブにシリンジで強制給餌をしなければならず、傷口への薬や包帯の取替え等、3日間の徹夜と、1週間のつきっきりのお陰で、元気に走り回り怪我をしていたのが嘘のように回復したのだ。
そんな子だったので、最後の最後に病気で苦しい思いをさせてしまったのが本当に悔やまれて仕方がない。
そして、少し異変を感じて再三病院に行っていたのに、医者の判断が間違っていたことも許せない。
とはいえ、自分が一番許せないわけだが。
そんなこんなで、現在元気に走り回るお猫様に過剰反応をするようになってしまい、時々相方が呆れている。
さらに医者を完全に信じられなくなっていることもあり、病院には相方にもついてきてもらっている。
自分一人で行くと、疑心暗鬼で厄介な患者に成りかねないので。
今まで生きてきて、インコから始まり、ワンコからウサギと、動物がそばに居ないことの方が少なかったのだが、ペットロスに陥り、未だに思い出すと涙が止まらないのは白いのだけ。
後悔の念が強いのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。