貴方はまた人間に転生しますか?はい。いいえ。
狛凪辺 テル
第1話 誕生
腰の高さほどしかない園児たちが音楽に合わせ楽しそうに振り付けを覚えようとしている。
私は膝を抱え同じクラスの子をただ見ている。
のちにその時の感情を理解した。
「あー、くだらない。」
ある8月15日。
私はこの世に生まれた。
と言うより、捻り出された。
その2年前の8月15日、兄がこの世に生まれ
私の出産予定日は月初だったのだが
産気を待っているうちに15日が近づき
兄と同じ誕生日ならケーキが1つで済むという
何とも安直な考えのもと、何がなんでも15日までに産んでやろうという強い気持ちに負けて
私は捻り出された。
捻り出されたら捻り返す!倍返しだ!
というのは冗談だが、実際かなりひねくれたというか生まれた瞬間から自我が芽生えていることをわかっていた気がする。
「可愛いわねぇ~!」
真顔で無視。
「抱っこさせて!赤ちゃんのにおいだぁ」
真顔で無視。
「いないいないーーばあっ!」
真顔で無視。
母は武勇伝のように語る。
「あんたは産まれた時から笑わなかった」
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