ブラック企業に打ち勝った日
ハナキンと呼ばれるような日時でもない。何でもない平日火曜。ついに私たちは目的を遂げる。
「やりましたね」
「ああ。ついにだな」
部署違いの2人だが、付き合っているというのは噂として流れてしまっている。
周囲の人に頭を下げ、行脚すること数日。冷やかされながらもなんとか休みをもぎ取ったのだ。
「まずは、2人の指輪のサイズはかってもらいましょ」
「いらっしゃませ」
「ぶかぶかじゃない?」
「夕方が一番むくむので、ちょっと外すのが大変くらいのほうが日常生活で外れにくいですよ」
店員さんが丁寧に説明してくれている。
シンプルで、勤めていても邪魔にならないデザイン。
指輪の内側に名前を掘ってもらって完成。
幸い、その場で完成することができた。
「こんなに余裕のある日なんて久しぶりだわ」
「だよな」
「ねぇ、友達に連絡してみたんだけれど」
「うん」
「結婚式には出るって返事来ちゃって」
「あー。俺もなんだ。ご祝儀もってくからその時、彼女さんに会わせろって」
「「結婚する?」」
2人は声がそろった。
「ふふ、両方から同時にプロポーズって不思議な感じね」
「だな」
「お、スマホに有名な結婚雑誌、アプリになっているぜ」
「便利になってきたわ」
2人で同じ画面をのぞき込む。
友人たちと会社の関係者には報告しないとならないだろう。
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