第2話

夏休みでも、夏期講習等で毎日、学校に

行く百合花達。

春樹は毎日、プロポーズをして来た。


「ねぇ、誠二、勇介、浩ハルーを

どうにかしてよ!」


「どうにかなるかね?」

咲達も


「本当にハルーは、どうしたんだろうね?」


「やっぱり、暑さのせい?」


「ハハハハ。」

と、笑うみんな。

誠二達が春樹に、聞いてみた。


「おい、ハルーお前は最近、変だぞ!なんで

毎日、百合花にプロポーズしてるんだよ!

まだ、結婚なんて出来る年じゃ無い事も

分かってるんだろう?」


「………」

黙る春樹。


「おい!ハルー何か有ったのかよ?」


「いや、俺は入学式の時に、百合花に

一目惚れしたから!」


「でも、今頃になって、なんで毎日

プロポーズなんだよ!うちは中高一貫

だから、高校も一緒だろう?」


「うん、分かってる。」

重い空気が流れ、何時も明るいハルーが

下を向いている。

何かを、必死に隠している事は、誠二

勇介、浩にも分かった。

それ以上、聞くのを止めた。

すると、春樹が


「いつか話するから、待ってくれよ。」

と、言った。

誠二達は


「分かったよ!」

そう答えた。

何時もの、春樹に戻る。


「百合花~」


「何よ!」


「何にも無いけど、帰りにどっか行こうぜ!」


「帰りは、咲達とカフェに行くの!」


「俺達も、行っていいか?」


「どうして?」


「えーみんなで話したいから!」


「咲達に聞いて!」


「おーい、咲、今日は俺達もカフェに

行っていいか?」


「えー断っても来るんでしょう?」


「うん!」


「いいよ!」


「やったぜ!おーい誠二ー」

忙しい春樹。

でも春樹の、行動には、ちゃんとした

理由が有っての、事だった。

カフェに着いた8人。

広いテーブルに、案内された。

女子達は、みんなパフェを頼む。


「女子って、パフェ好きだよな?」


「ハルーあんたも、食べてみなさいよ!

美味しいから!」


「いやー俺はいいや!」

と、アイスティーを頼む。

パフェが届くと、女子達は目を丸くして

喜ぶ。


(百合花、可愛いいな!楽しそうだな。)


「百合花、一口くれよ!」


「嫌よ!」


「味見だよ!味見!」

しぶしぶ百合花は、一口、春樹に食べさせる。


「あまーい。」


「だから、いいのよ!」

誠二達が


「おーハルー、やるな?間接キスだぞ!」

そういう事を、気にせずにやった百合花と

ハルーは耳迄、赤くなった。


「もう!そういう事は言わないの!」

と、咲達が止める。

でも春樹は嬉しかった。


「俺達、中学を卒業しても、高校も

一緒だから良かったな!」

と、春樹。


「そうかな?」

と、百合花。


「百合花、ひょっとして俺と、別の高校に

行きたかったのか?」


「いや、そうじゃ無いけど。」


「なら、同じ高校で、良かったじゃ無い

かよ!」


「そうだね。」

合わす百合花。


「百合花、俺は高校に行っても、毎日

プロポーズするからな!」


「冗談でしょう?」


「おい、ハルーお前、同級生じゃ無かったら

ストーカーだぞ!」


「いいんだ!ストーカーでも!」


「いや、良く無いでしょう!」

と、咲達が、口を揃えて言う。


「ハルー高校卒業する迄、毎日プロポーズ

するつもり?」


「うん!」


「ハルー、大丈夫だよ!高校になったら

他の中学からも、来るから好きな人が

出来るよ!」

と、百合花。


「いや、ならない!」


「ハルーあんたね、その自信は何処から

来るの?」


「ここから!」

春樹は心臓を、指差す。


「ハハハハ。」

みんなが笑ってる。


「何を笑ってるんだよ!俺は、こんなに

真剣なのに!」


「ハルー分かったよ!お前の気持ちは

百合花、少しでも考えて、やってくれよ

頼む!」


「頼む!」

と、誠二達。


「少しね、少しだけだよ!」


「よし、一歩前進したぞ!誠二、勇介、浩

ありがとう!咲、美園、奈津美お前達も

少しは協力しろよ!」


「私達が?」


「そうだよ!何時も百合花と居るんだから

お前達が、毎日、百合花にハルーの

お嫁さんに、なれって暗示を掛けるんだよ

そしたら百合花も、ハルーのお嫁さんに

ならなくちゃって、思うだろう?」


「はぁ?ハルー正気なの?」

と、咲達。


「当たり前だ、俺は何時も正気だ、

頼んだぞ!」


「はいよ。」

と、咲達。


「何を引き受けてんのよ!」


「だって、ハルー言い出したら、聞かないから、分かるでしょう?」


「それも、そうだね。」

と、パフェを食べる、百合花達。

お会計の時


「今日は、俺達が付いて来たから、俺達が

払うよ。」


「えー悪いよ!」


「いいから、任せとけ。」


「ありがとう、ごちそうさま。」

と、店を出た。


「じゃあ、又、明日な。」


「うん、バイバイ。」

解散した。

みんなと別れて、帰る百合花の足取りは

重かった。

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