だから俺は転生者を滅ぼすことにした
@senkouno
第0章
プロローグ
世界では年間約八十万人ほどの自殺者がいるらしい。ペースにして四十秒に一人の割合だ。この国だけでも約二万人ほどいるという。
彼らはどうして死にたいと思ったのだろう?
理由は様々だと思う。悩みや苦しみはこの世の人の数だけある。周りの人間からすれば取るに足らないようなつまらないことや、誰もが同情せざるを得ないようなことまで。人にはそれぞれ事情がある。それは他人には到底理解の及ばないようなことなのかもしれない。
もし自分なら、理由は何だろう?
自ら死を選ばなければならないような事情とは何なのか。どんな状況に置かれたら、自分は死を意識するのか。生と死の境界線はどこにある?
ずっと考えていた。
ただなんとなくで生きてきた自分には、今までそんなことを考える機会がなかった。
何故、そんなことを考えているのか。
いつからだろう、こんな事が頭をよぎるようになったのは。どうしてそんなことに興味を持ったのか。きっかけは何だろう。どうにも思い出せない。恐らく何か、そう思うような何かがあったのだろう。
考えたところで結論は出ない。
それは案外、簡単なことだったりするのかもしれない。いや、そもそも考える必要なんてあるのだろうか。
でも、それは何だかとても大切なことのように思えた。
いつか必ず、答えを出さなきゃいけない時が来る。
不思議とそんな予感がした。
その時はゆっくりと、確実に訪れる。
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