第2話綿毛

私はある植物の綿毛だ。


風に吹かれてフワフワと宙に舞い、飛ばされていく。


今日は新築一軒家の玄関までたどり着いた。


私は足を生やして動き回る。


「どこがいいか。」


私は玄関横の庭に埋まることにした。


私は一生懸命足で土を掘り、掘った穴の中に埋まった。


私はその家にある幸せなオーラを取り込み、念じる。


「フコウニナレ。」と。


その日住んでいた若い夫婦は、夫が妻を包丁でメッタ刺しに妻が死亡。


夫はガスコンロで自分の身体を焼いて自殺。


夫の身体に付いた火が、家に燃え移る。


家は灰になった。


私は土の中から飛び出す。


次の居場所を求めて、私は風に吹かれて飛んでいった。

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