第五部 桃太、異世界クマ国を蝕む陰謀と対峙する 334~406
第五部/第一章 異世界クマ国ヨシノの乱
第334話 黒幕の正体
334
西暦二〇X二年八月一二日昼。
額に十字傷を刻まれた少年、
「なんでだあ、どうしてこうなった!?」
「ぷんすかサメ」
「「わっしょいわっしょい!!」」
しかしながら、決め技だった〝
「おーい、乂。相棒のピンチだぞ。ちょっとくらい、林魚達をなだめてくれ」
桃太はもみくちゃにされながら、相棒である金髪ストレートの少年、
「あれ、そういえば乂とリンさんは、どこだ?」
「ワッツアサプライズ(おいおい)!? 相棒、ちょっと目を離した間に、ボコボコにされたな? こっちだこっち。こいつが葉桜達をけしかけた黒幕だ」
「「ひ、ひとさらい!?」」
千隼ら、鴉天狗達が仰天したのも無理はない。
乂は背中に『漢道』と
何も知らない者が一見すれば、若い暴漢が老人を引っ張っているようにしか見えないだろう。
そして、枯れ木の如き老人の顔を見た千隼達は驚きの声をあげた。
「あ、貴方はヨシノの里長、
「部下達が心配で見送りに来たのだよ。それを、忌まわしき反乱者である〝
棒きれのように老いさらばえた老人は乂に手を掴まれながらも、年齢と体格に見合わぬ力で暴れ始めた。
「ファッキュー、この外道め! クマ国に仇なすスパイの三下はどっちだよ? 相棒がクマ国の反政府団体〝前進同盟〟の影響が少ないヨシノの里を目指したように、アンタも同じ理由で目をつけたんだろ!」
しかし、乂は動じることなく腕の関節を極めて断言した。
「アンタは知らないだろうが、今のクマ国で、忙しい里長がカクリヨに来る暇なんてあるものか。オレのクールな判断力と、リンの目は誤魔化せないぜ」
「ニャンニャ、ニャン!(ワタシと乂は、最高のパートナーなのよね。浄化の炎よ、真の姿を暴きなさい!)」
三毛猫姿の
「ちいいっ。このような場所で正体を
「その姿は、まさかっ、貴方は
――――――――――
あとがき
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