第184話 悪意の操り人形
184
「
額に十字傷を刻まれた上半身裸の少年、
「トータ、さん?」
しかし、手と手が触れ合う寸前。
蒸気バイクが異音を発し、軋みをあげながらバラバラと壊れ始めた。
「相棒、まずいぞ。機体が壊れる」
「にゃにゃ!?(……計算より技の反動が大きい。ひょっとして出雲君の力って、〝鬼の力を使う機械〟と相性が悪い?)」
黄金色の蛇になった
「オウモさんもそんなことを言っていたなあ。ごめん、リウちゃん。ちょっと待って」
「は、ハイ」
桃太は
「桃太おにーさん、こっちへ来るサメエ。湖の水を集めて受け止めるサメエ」
「ありがと、紗雨ちゃん。って、まずい。乂と凛音さんは俺に捕まって」
桃太達が飛び込むと同時に、幾度にも亘る無茶に耐えきれなかったか、バイクは爆発四散した。
その一方。
「戦闘機能選択、モード〝
「あに、さま?」
その間に、逆方向から接近していた黒騎士が、素裸になった呉陸羽を回収。
肩部から電撃網を放って、妹を閉じ込めていた
「……救出成功!」
かくして、救出作戦は成功した。
山吹色髪の少女は意識を失い、黒騎士がバイクシートの収納ボックスから取り出した毛布に包まれて、安らかな寝息を立てた。
「やったああ」
「救えたぞおお」
桃太をはじめ、焔学園二年一組、勇者パーティ〝
しかし、その喜びに水をさすように、ガシャンという大きく鈍い音が響いた。
「まだ、だ。まだ終わらない。終わらせない」
「
陸羽と同じように、湖の浅瀬に打ち上げられたオレンジ髪の青年が、ボロボロに焼けた蛇と壊れた鋼の残骸を、光輝く糸で引いていた。
己が欲望のために多くの人々を操り、その命を食らった悪鬼、
あるいは戦闘服に編み込まれた〝
「そう、私こそが真の勇者。世界皇帝、新たなる鬼神、四鳴啓介だ!」
されど、もはや啓介に肉体を動かす力は残っていないようだ。
オレンジ髪の青年は、〝
「
啓介は、自らの憎しみという糸で
「
――――――
あとがき
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