人生でいちばん長い日〜姫初め、開膜―成人の日④
※皆さん、長らくおまてか
「ダァアアアアアロアアアアアアアッッ!!??」
殺人エルフ…じゃない、シアが横で叫んでいる、凄い形相で。
ビックリしてスマホ落とした。
俺もエルフって良く漫画で見るけど、シアを表すのに良い表現だと思う。
だけど美しい女エルフの怒りに満ちた顔ってどんな顔するのか想像つかなかった。
何か漫画とかだとふんわり笑ってるイメージだし…
だけど今、知った。どんなに美しい相貌でもこんなに怒りの表現が出来るんだ…
…じゃない!何とかしないと!
「シア、落ち着いて聞いてくれ。これは違うんだ!」
何とも冴えない台詞、何を否定しているのか自分でも分かっていない。
「タロァッ!タツは!ダメッ!サラならしょうがない!蘭子なら悔しいけど仕方ない!メグミは…兄妹だから!出来ればダメッ!だけどタツは!タツだけは!死んでもダメ!」
シアが殺人エルフ顔でポロポロ涙を流し始めた…何となく何でキレてるのか何となく分かったけど…凄い勘違いだけど、そんなに嫌なのか…
「いや、シア。それは違う、それだけは…」
カタンッ スマホが床に落ちた。
『40ダイ ダンセイ』
『ウアハハハ!40代男性の圧力ケツの穴!シャーの尻でリンゴが壊れる!シャーのウンコは40代男性の筋力でキレの良いウンコ!ウワハハハ(笑)』
『タツァッ!シネェっ!死ね死ね死ね死ね死ね!!』
『ウアハハハ!効かん効かん!オレを倒すならヒロ持って…くるな!それより尻の穴完治おめでとう!ブフッ(笑)コレでTHE・プロヂューサーこと、尻穴NTR野郎のチ◯コを破壊「オアアアアッッッ!!!」
グシャッ!!
「ふーっふーっふーっ」
落ちた拍子に音が再生された地獄の宴映像の音声…それを殺人エルフのシャーがスマホを足で踏み潰して止めた。俺のスマホ…
「違う!タロァ!スマホ買う!一緒に!メール全部消す!タツのメール消す!タロァ!?聞いてるッ!?お願い!聞いて!」
「いや、消すよ?流石に…それよりお前、顔がさつじ…」
ウオ?殺人エルフから今度は悲しみエルフになった…シアって改めて見ると感情の揺れ幅凄いな…なかなかついていけないな…
「タロァ…そんなこと言っちゃ駄目…違うの…殺人なんて…駄目!…そ、それより…タロァ…その…エッチしよう…」
「ブㇷッ」
「タツァッ!?何でぇ!?違ッタ!タロァ!?」
俺は殺人エルフからいきなりトレンディドラマの台詞に吹いた…そしてパニックになった、この問題があったんだ…あまりに付き合いか長いから雰囲気が無い…
高校時代からこの美しい妖精に誘惑はされていた。
今考えれば、まともな高校生なら間違いがあって然るべきだろう。
それがなかった。その気が起きなかった。
何故なら付き合いが長く、とても美しく、そして余りにも野生だから…
「そ、そうだ…違った…タロァを誘惑…クソタツの思い通りでムカつくけど…癪だけど…仕方ないか」
シアがそっと離れてベッドに向かった…
おもむろに背中を向け足を開き、尻を向けてアレを見せつける…え?
こちらを振り向き親指を噛みながら言った。
「タロァ!カモンッ!い、イエース!アイムカミング!げっ、ゲッカミングイエーア!」
パンッパンッパン…
謎の台詞を吐いて、自らのケツを手で叩くシア…
「イェアッ!あ、アーイムカミ…お…ち、違った?タロァ…教えて…ちが、違った?」
みるみるうちに顔が真っ赤になり、親指どころか指全体を口に入れ涙目になるシア…
「タロァ…その顔…違ったんだ…タツ…殺す…渡るコケシは…嘘ばかり…これもクソタツの台詞だ…タロァ…もう…殺して…いやぁ…ふぐぅ…」
足が内股になり涙声で頭を抱え始めた…何してんだ?いや…タツさん?…
俺は走った…良く分からんが尻を突き飛ばしシアに後ろから覆い被さった。
シアだって頑張っているんだ!
良くわからないけど俺はやるんだッ!
「シア!魅力的なシア!こんな雌豹は動物園にはいないシア!綺麗な尻!ヒップ!ムラムラするぅ!えっちしたい!」
ヤバい、訳分かんない事言った、終わった…
「あぁあ!?…ホントに…?き、綺麗?お、お尻!ほら!好きにして!お尻!」
本当にな、良くわからないけど合わせてくれた、勢いだな。
勢いで何とかするしか無い。
「シアのお尻ッ!良いお尻!」
俺は尻に顔を勢いよく埋めた!
「タロァッ!♥タロァから!?♥」
俺は鼻の穴をケツに埋めた時に思った…小ぶりで引き締まった形の良い尻…これで40代男性の全力の握力で鼻を掴まれたら折れるな…と。
「タロァ…?止まった?何を…考えてるの?まさか…」
ヤバい!誤魔化せ!多分バレた!?
「シア!好きだ!こっちを向いてくれ!」
ブチューッ!
俺は無理矢理キスをした。フハハ、笑えば良い。
だって俺は童貞、良く分かんないからな…
でも…なし崩し的にやる、大人だから。
鬼頭君は言っていた。
『蘭子が言ってて、最初はどうなのかな…と思ったけど。納得いったのは…太郎は付き合ったり性行為を重く見すぎ…そりゃ浮気したり裏切ったら駄目よ?でも重く考えすぎだよ…』
よ、陽キャ?勢い?分からないけど勢いで…欲のままに…
シアは優しい…俺が獣のように接すればシアはより獣になってくれる。
俺はイ◯ポかも知れないと思ったが、どっかでカッコつけしいなだけ。
サラのトラウマとは全然ベクトルが違う。
だから俺は、恥も外聞も捨ててシアに溺れようと思う…
目が肉食動物の様になっている、動きがまるで何かを貪るように動くシア…
「た、タロァあ♥サラとね、話したの…タロァが…まだ私に少しでも気持ちがあるってぇ♥自分にはタロァの欲を発散出来ないって♥お姉ちゃんならってぇ♥♥だから…タロァ…私を…無茶苦茶にしてええええ♥♥♥」
サラがそんな事を…
「そして…私を塗り替えて!♥汚れた私を!タロァに!タロァにい!♥」
「シア!シア!好きだ!シアをオレのモノに!シア!」
「タロァ!来てっ!♥タロァ!タロァえああ!!♥」
ズンッ ビリィミチミチミチィッ
「タロァ♥タロァ♥入れッ♥アダプタッ!?タロッ!?たっ!?アダッ!!…」
ギチぃッギチチィッッッ
「イイイアイイイイイタアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!?!?イイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」
キツッ!?(色んな意味で)
美しい顔が般若の様に、そして苦しみの中、目には覚悟の色が見える。
絶対にやめないぞという強い意志。
タツさんが筋肉で何とかするとか言ってたけどそういう問題じゃない。
明らかに初めてのような…
俺は…シアの悲しみを知っていた筈だった。
俺はそれを知り…絶望したからだ。
そして初めてというのものが、女性にとってどんな意味をもつものか知らなかったけど…シアはとても大切にしていたと聞いていた。
だからシアの失ったソレの事は触れないようにしていた。
とても傷付いたと聞いていたから…強い意志で立ち直ったと聞いたから…
初めてじゃん…どういう事!?
「た!タロァ…して!早く…私が…おかしくなる…前に…」
受け取り方によっては色んな意味に聞こえる台詞を呟くシア…
まぁ…もう良いか、色々と考えなくて。
シアは言ってたな。自分達は動物なんだって。
猿とか関係無い、虫から哺乳類まで大体同じ。
好みの異性と交わい、子を作る
ただそれだけだ。そこに快楽が…
俺は自分勝手にシアと繋がった。シアは…
―――――――――――――――――――――――
「お、おはよう!♥タロァ、コーヒー飲む?」
シアがホテルの備え付けの缶コーヒーを2つ出してきて、一つを飲んでいた。
ホテルだから朝チュンは無い、じゃなくて時計を見ると成人の日が終わっていた。
朝7時か?あれから12時間以上は経ってるな…
「ん、おはよう。朝起きたらシアがいるなんて不思議だ。嬉しいな」
そう言いながらシアの飲みかけのコーヒーを飲む。
「た、タロァ?…んふふ♥タロァ!タロァ♥」
シアが裸で再び布団に入ってくる。
もしかしたら変わってるかも知れないが、シアはコーヒーが全然飲めない筈だ。
俺がコーヒー飲むから無理して選んだのかも知れない…と考えるのは傲慢か?
薄い高級な素材と思われる肌心地の良い掛け布の中でお互い抱きしめ合う。
「タロァ…長かったよ…ここまで長かった…やっとタロァが…良かった…本当に嬉しいな…」
涙目になるシアの涙を拭う。
「ごめんな、本当に。俺が弱いばかりに…ずっと待たせたんだな…」
思えば長かった。
人生で言えば短い期間なのかも知れない。
でも…今日の日の事…いや、ここ数年の事は忘れないと思う。
ホテルのロビーに出ると入口から入ってくる朝日が眩しかった。
シアは内股でヨタヨタと俺に寄り添い歩いていた…痛いらしい…
身長がシアの方が少し高いけど…屈んでいるので同じ目線だった。
そうだ…サラや…皆にキチンと言わないとなぁ。
「そんな事言わないで…ね?…今日は…タロァと…思い出の日…記念日だから…♥」
「そうだなぁ…今日は記念…え」
何か聞いた事ある声が…
「なぁヒロ…やっぱり毎日すべきだと思うんだ。今日だけやるとまるで負け犬尻穴記念日みたいにならないか?」
「何だよ負け犬尻穴記念日って…初めて聞いたわそんな記念日!でも家だと子供もいるしホテルなんて毎日来てたら速攻破産だぞ?」
「だからヒロよ、土木橋のクソデブヤクザからホテル無限チケットを発行してもらおう。なぁに、壁に追い詰めて無限コンボすれば発行するらしい、口から…かえって割引がつくらしい」
「お前は
「おいタツ、聞こえてるぞ…お前、マジで警察に言うからな?出禁じゃない、逮捕だ」
「クソデブヤクザは冗談もわからないヤクザ馬鹿、お前はこのホテルの土橋の小部屋を墓標に…ん?おやぁ?」
ホテルのロビーにいるのはタツさん…とヒロさんだ…タツさんと目があった…
「おや、君達もホテルですか?間男ですか?本命はいずこ?シャー、良かったな!ケツの穴良かったか?言ってたもんな、尻穴でも構わない『タツァッ!!黙れ!』
シアが内股でガクガクしながら俺の腕をギュッと掴みまた殺人エルフに…てゆうか、こんな低レベルの煽りにいちいち反応するシアも沸点低いのか、それとも大分ヘイトが高いのか…
そしてヒロさんの顔が苦い顔…
「友達の経営しているラブホから出て後輩に会ってロビーで雑談する…こんなアラサー…駄目だろう…ツッチー、何かズタ袋みたいなのある?」
「いや、黒いゴミ袋しか無いけど…」
「それで良いや、五枚ぐらい頂戴…」
「お、ヒロ?シャーを入れて悪いプロデューサー送りか?それはやり過ぎじゃないかぁ?ヒロぉ?」
凄い腹立つ悪役顔でヒロさんに近付くタツさん…近付いた直後殴られた。
「何故だひろ!?敵を誤るな!クソ、朝日を背にしているから前後不覚か?ゴミ袋に入れ!?やめ!」
タツさんをゴミ袋に入れた…どうゆう夫婦関係何だろう?
「いつも迷惑かけてすいませんです…ただ、タツから聞いたんだけどね、何でシアさんにそんな絡むのって聞いたら『パッキンケツTRの馬鹿に興味は無い!ただタロァは、オレとヒロの時のオレに近いものを感じる』だとさ。まぁ、根っこの部分はもしかしたら…って思うけど。とにかく別に悪意があるわけじゃ…いやあ、あるな。本当にごめんなさい」
「クソタツが…タロァと?…」
「旦那さんの前でクソタツは駄目だよ」
「あ、あぁ!?ごめんなさいゴメンナサイ!」
するとゴミ袋からプスっと音がして鷹のような片目だけ出してるタツさんが言った。
「タロァマンタ…分かるぞ…お前の心が…私がお前のためにシャーを仕込んだ…安全安心しッグァっ!?」
鷹のような目だけ出ている場所をヒロさんが叩き、沈黙した。
「とにかくおめでとう、お幸せにな…ではまた」
何か台詞がNTRされた男みたいな感じだったがとにかく消えた。
「タロァ…タツと通じ合ってるの?嫌だよ、タロァ…」
「そんな訳無いだろ、やめてくれ…」
そんな事を言いながらホテルの外に出る。
朝日が眩しかった。
俺は本当に…久しぶりに地元の朝の街を歩いた。
何だか新しい世界が、始まった様な…そんな気がした朝だった。
※次回、多分シア編は次回でEpilogueになろうかと思いますが思いつきで変えるかも分からんです(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます